心理学者、心理学を語る の商品レビュー
***** [増大した心理学者の]数だけでは,洞察の深さと進歩を保証することはできない。過去三〇年,ますます多くの人々が心理学に携わることによってビールと寿司にあずかっているが,誠に残念なことに,何が人間を動かしているのか,ちっとも理解が進んでいないと多数の批判の矢が放たれてき...
***** [増大した心理学者の]数だけでは,洞察の深さと進歩を保証することはできない。過去三〇年,ますます多くの人々が心理学に携わることによってビールと寿司にあずかっているが,誠に残念なことに,何が人間を動かしているのか,ちっとも理解が進んでいないと多数の批判の矢が放たれてきた。(p.4)
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いまの時代の「心理学」とは、ビジネスの影武者、あるいは信用しきれない気慰み、あるいはこの仕事の従事者の気慰み、といった程度が関の山で、20世紀のような人間の学としての重要性は極小のようにみえて仕方がない。 脳科学の席巻状況は合理主義的機械論、つまり近代黎明期への退行である。とした...
いまの時代の「心理学」とは、ビジネスの影武者、あるいは信用しきれない気慰み、あるいはこの仕事の従事者の気慰み、といった程度が関の山で、20世紀のような人間の学としての重要性は極小のようにみえて仕方がない。 脳科学の席巻状況は合理主義的機械論、つまり近代黎明期への退行である。としたら対抗理論としてまた経験主義が出てきて、云々の反復、永劫回帰。 とはいえ、この本は面白い。対象が中心から辺縁(学際)に及んでいて、「心理学」とは一体何かということをわかりにくくしていて、それが良い。進歩史観は捨ててポスト・モダンにたっぷりと浸るときなのだ。 自分には新しい展開が開けたような爽快感がある。
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