中学受験テクニック の商品レビュー
受験本。 著者は中学受験講師30年のプロフェッショナルの方。 ご経験に基づく卓見が書かれている。説得力ある。納得するところが多い。 勉強本でいつも書かれている本質は (1)「子供の動機が大事」 (2)「やった気になるな」ということ、 (3)「定着=復習が大事」ということ。...
受験本。 著者は中学受験講師30年のプロフェッショナルの方。 ご経験に基づく卓見が書かれている。説得力ある。納得するところが多い。 勉強本でいつも書かれている本質は (1)「子供の動機が大事」 (2)「やった気になるな」ということ、 (3)「定着=復習が大事」ということ。 さあ、それをどう実現するか。ここにそれぞれの名士たちの工夫・試行錯誤・知恵がある。 著者の塾のアピールポイントは「書くこと」だという。「プロット作戦」(p.189)というそうだ。考えながら書くことだという。ここは納得しました。(わが家の子供はこれが足りないようだ。答案も式と答と計算がだらだらと書いてある。なんとかせねば…) この種の本で意見が分かれるのは「国語に読書は必要か」「過去問重視か」というあたりか。本書の場合は「そうでもない」派。読書も精読でなければダメであり、過去問は「出ない」のだから重視すべきではないという立場だ。 (1)のソリューションでは「ほめよ」というのがよくある。本書にもある。本書は徹底している。「ほめる専門家」という職業があるのだという。「教育パートナー」というそうだ。往年の月の家円鏡の「よいしょっと」みたいだ。 (2)は本当に危険だと思います。本書の場合は家庭教師の話でこの話題が出てくる。「わが子が楽しく勉強していると、親としては、これで力がつくだろうと考えがち」(p.188)とある。これももっともだ。人情だ。だけれども「楽しむだけでは、成績は決して伸びない」(p.188)とのことだ。 (3)はどの本でもいわれている。著者たちは自分は諸氏と違って復習重視だという語り口が多い。だけれども、本を書くような人はみな復習重視だ。意外に共通の主張である。 この(3)は本当に悩みの種。何年教えても、前にやったことを忘れられていると情けなくなる。あーあ、となる。どうすれば定着できるのか。私も模索中だ。
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