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侍っ子 の商品レビュー

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2012/07/14

関谷ひさしさん、という60年代には手塚治虫と並び称されるほど人気だった漫画家が、第一線から退いたあともこつこつと描いていたマンガを、彼の死後に出版された作品。 関谷ひさしさんの作家としての全盛期の絵柄は、いかにも時代を感じさせるもので、このマンガも題名と表紙絵を見る限りでは「ど...

関谷ひさしさん、という60年代には手塚治虫と並び称されるほど人気だった漫画家が、第一線から退いたあともこつこつと描いていたマンガを、彼の死後に出版された作品。 関谷ひさしさんの作家としての全盛期の絵柄は、いかにも時代を感じさせるもので、このマンガも題名と表紙絵を見る限りでは「どうかな~」と思って読んでみたら、これがビックリするくらい面白かった。なんというか、物語的に洗練されていて、現在でも十分通用するセンスの良さが光っていると思う。 物語は人間味溢れる素浪人と、敵討ちの旅をする少年剣士が、いろいろな冒険をするという「古い」フォーマットを借りているけれども、そこで描かれている内容は『サムライ・チャンプルー』的な雰囲気があり、さらに全年齢的に楽しめるものになっている。とにかく主人公の少年剣士が可愛い! あと、武芸の達人の女がエロ可愛い。 遺作としてだけ語られるにはかなり惜しい作品。あと、巻末に構想中の探偵モノの絵が載っていたけれど、その絵もビックリするほど現在的な画で、年齢を全く感じさせない作者の凄さを垣間見た。

Posted byブクログ