封建制の文明史観 の商品レビュー
封建制は一般的には否定的に語られる傾向があるように思うが、経済史あたりでは産業革命への基盤としてニュートラルな評価がなされている印象がある。本書では時代背景によって封建制が肯定的に評価されたり否定的に評価されたりする変遷が語られており、「封建制評価の歴史」といった学説史的要素があ...
封建制は一般的には否定的に語られる傾向があるように思うが、経済史あたりでは産業革命への基盤としてニュートラルな評価がなされている印象がある。本書では時代背景によって封建制が肯定的に評価されたり否定的に評価されたりする変遷が語られており、「封建制評価の歴史」といった学説史的要素がある。政治・経済のみならず社会・文化を学ぶ者にとっても有益である。
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「封建制」の内実研究史として有益かつ面白い本と思う一方、何とも微妙な読後感。前者に関し、①引用付きで学説を上手く拾い上げて簡明に研究史を解説、②大隈重信や島崎藤村の認識を利用し、史学研究者目線からだけの封建制解説としない点、③ウイットホーゲル、上原専禄、牧健二等一般に知られていないが、示唆に富む研究者を上手く紹介。後者に関し、本論と関係のない蒙古侵略実相を解説(ただし、これ自体は面白い。ドイツは氷結解け大河と城壁・籠城戦術が奏功。日本は神風ではなく、技術面で蒙古兵総数の上陸困難+防塁施設、水際戦が奏功)。 2008年刊行。著者は都留文科大学学長。
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『封建制』。学校の授業では教わったが、実は解釈が様々あり学会では定義されていない言葉。前半では本書の定義を提示し活力ある時代であったことを示し、後半では、この言葉をめぐる政治学史が示されている。何気なく教わった言葉でも、持てる歴史と意味は深い。
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09/01/23 前半は興味深く読むことができたが、後半は封建制論の論争史的になり興味が殺がれた。 しかし、今谷さんの本は知的刺激に溢れてる。
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イマイチ。ただの学説の抜粋と羅列じゃん! ただウィットフォーゲルに興味を持てました。 しかし、この本読むなら「文明の生態史観」を読むほうがよほどいいです。
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