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日本の歴史(01) の商品レビュー

3.6

10件のお客様レビュー

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2023/12/13

日本史の歴史の教科書で一番最初に出てきて、一番面白かったところ、縄文・弥生時代。そこからだいぶ経って改めて縄文時代のロマンを味わいたくなり、この本を買いました。『暇と退屈の倫理学』で紹介されていた本です(遊動生活は充実していたという文脈で紹介)。 この本の特徴は、著者が想像した...

日本史の歴史の教科書で一番最初に出てきて、一番面白かったところ、縄文・弥生時代。そこからだいぶ経って改めて縄文時代のロマンを味わいたくなり、この本を買いました。『暇と退屈の倫理学』で紹介されていた本です(遊動生活は充実していたという文脈で紹介)。 この本の特徴は、著者が想像した縄文人の生活がストーリーとして取り入れられていることですが、残念ながら後半部分ではほとんどストーリーが紹介されていなかった点が少し残念でした。 とはいえ学生の時に学んだ縄文史の常識とされていたことがアップデートされているたり、どんな暮らしで何を食べていたのか、貝塚に捨てられていたモノなど、ロマンを感じながら読みました。 2000年に発覚した遺跡捏造事件。本書も修正が入ったそう。捏造の仕方は大胆で、「なぜ疑問の声が上がらなかったのか?」と思ってしまいます。資料の少なさや学者たちの焦りなど色々な要素が引き起こしたと分析せれています。 とはいえこんな大規模な捏造が藤村氏だけでやり遂げられるのか?そんな意見もあるようで、著者も藤村氏をそそのかした疑いがかかっているもようです。

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2022/06/02

【列島最古の文化を求めて】 原人の渡来のチャンス 120万〜100万年前、43万年前、3?万年前、2?万年前 アフリカ起源の新人(ホモ・サピエンス・サピエンス)の世界に拡散説 古代型ホモ・サピエンスの現代型への進化説 世界最古の石器?明大の芦沢 【「新人」たちの登場】 先土器...

【列島最古の文化を求めて】 原人の渡来のチャンス 120万〜100万年前、43万年前、3?万年前、2?万年前 アフリカ起源の新人(ホモ・サピエンス・サピエンス)の世界に拡散説 古代型ホモ・サピエンスの現代型への進化説 世界最古の石器?明大の芦沢 【「新人」たちの登場】 先土器vs旧石器→岩宿文化 環状ブロック @中国、四国、近畿 サヌカイトを用いた瀬戸内技法による剥片の石器 神奈川の相模原・群馬の赤城  協業による定住の先駆け 宮城東 富沢物語 東海、中部、北陸 石刃技法 エンドスクレイパー 【縄文文化の成立】 ・温暖化による現在の環境成立 ・定住生活 ・土器の製作 ・石鏃ぞくの出現、石皿スリ石凹み石の普及 隆線文土器→爪形文、押圧文 南から 鹿児島県 掃除山物語 P.79 定住の定義 【三内丸遺跡の生活誌】 P.90 特徴 青森県 三内丸山物語 【関東・中部地方の縄文集落】 事実から解釈へ 【縄文人の一年】 P.173 主な食料 栗栽培 酒造り 共産社会でなく階級や階層があった? 大盤振る舞い 丸木舟 【縄文人の一生】 P.218 考古学にとっての死 墓地 他者を拒否する精神的な装置 【大規模集落の解体と祭祀的社会】 P.238 縄文の全容の仮説 「縄文文化の華」→東日本社会全体の没落 関東・甲信への移住 青森県 小牧野環状列石物語 【「縄文時代の終わり」は何を意味するか】 西日本の活性化 中期は東日本に及ばず、晩期は弥生と重なっているなど実態はなかなか掴めていない 縄文的基層文化 水田稲作の始まり 甕棺人かめかん 【遺跡捏造事件について】

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2020/01/20

博物館などでよく建造物や人形を用いた生活の復元展示などがあるが、この本の所々に登場する発掘と研究成果を反映した「物語」は、文章で復元展示をしてくれているかのよう。また「専門的」と断りながらもわかりやすく、研究手法について解説し、なぜ「物語」仕立ての部分のようなことが言えるのか明か...

博物館などでよく建造物や人形を用いた生活の復元展示などがあるが、この本の所々に登場する発掘と研究成果を反映した「物語」は、文章で復元展示をしてくれているかのよう。また「専門的」と断りながらもわかりやすく、研究手法について解説し、なぜ「物語」仕立ての部分のようなことが言えるのか明かしてくれる。それは手品の種明かしのようで読んでいて楽しい。自給自足でなく閉鎖的でもない、列島内にとどまらない広い交流を持った縄文の人々、その生活や精神世界のあり方を近年の研究成果から解明する一冊。捏造事件についてもその経緯や再調査、反省点などが述べられている。

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2015/05/08

日本列島に人類が住み始めたのは何万年前か。そこでどのような暮らしを営み、大陸や東アジア地域とどんな交流をしたのか。近年の発掘と研究の成果は人々が自然の恵みとともに生きてきたことを明らかにし、さらには生と死の実態に迫っている。旧石器時代人の遊動生活から日本文化の基層となった縄文人の...

日本列島に人類が住み始めたのは何万年前か。そこでどのような暮らしを営み、大陸や東アジア地域とどんな交流をしたのか。近年の発掘と研究の成果は人々が自然の恵みとともに生きてきたことを明らかにし、さらには生と死の実態に迫っている。旧石器時代人の遊動生活から日本文化の基層となった縄文人の定住生活まで、古代観を一変させる考古の探求。

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2013/12/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

本書で特徴的な議論は、縄文から弥生の流れである。 従来、大陸から水稲栽培の文化を携えた民族が列島に渡来し、先住民であった縄文人が南北端に追いやられた、というものだったが、本書では水稲栽培が始まった当初の人骨が縄文的な特徴を備えていたことを根拠に、民族の交替はなかったという立場に立つ。 考えてみれば、同じ日本人であっても住む場所によって立った一世代の間で外見的特長が変わったり、食事や生活習慣による影響で、戦後2~3世代の間に身長や体型が大きく変わっていたりしていることからもこれは中々説得力のある話だと思う。

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2013/07/12

藤村新一による捏造事件で日本の考古学は死んでしまったが、それを全面的に引き受けて縄文の時代像を著者なりに提示しているのはお見事 藤村によらず日本の考古学会のレベルの残念さは承知しているが、それらに比べるとこの本はかなり誠実に事実の積み重ねをしているようにはみえます

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2013/06/01

確か、土器発掘捏造事件でかなりの部分を書き直すことになり、当時話題になった本。 ただ、それとは関係なく、豊かな縄文人を描いていて、大きく縄文人のイメージが変わった。

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2013/02/08

「借」(大学の図書館)。 日本史を学び直すために借りてるシリーズ。 今まで持っていた縄文時代のイメージがかなり変わった。 かなり原始的な生活をしているものと思っていた自分の無知さに気づかされた。

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2012/07/30

旧石器~縄文までの歴史を、写真や図解を挟みながらわかりやすく解説してくれている。途中に差し挟まれる小説?はよくわからなかったが。 巻末では、考古学者の立場から捏造事件について言及していて、そちらも興味深い。

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2011/02/21

ついに読み始めてしまった講談社学術文庫の「日本の歴史」シリーズ。(0巻の『「日本」とは何か』は既読) 縄文時代についてだから歴史学というより当然考古学の分野の本だが、おもしろかった。 氷河期が終わり気候が安定することにより、森林の食物も豊富になってきた1万5千年くらい前から縄文時...

ついに読み始めてしまった講談社学術文庫の「日本の歴史」シリーズ。(0巻の『「日本」とは何か』は既読) 縄文時代についてだから歴史学というより当然考古学の分野の本だが、おもしろかった。 氷河期が終わり気候が安定することにより、森林の食物も豊富になってきた1万5千年くらい前から縄文時代に入る。 この時代は何より「土器」に特徴付けられるが、これは、食材を火で調理するという文化段階に入ったという意味をもつ。まさに「調理の時代」であり、火による料理の技術が文明のはじまりを意味しているとかんがえるレヴィ=ストロース『神話論理』とも合致する。 火と食器を用いるようになった人々は定住をはじめ、竪穴式住居が誕生する。そこにはすでに呪術や祈りなどもあったと思われ、まさに「文化」が確実に育っている。 しかし、次の弥生時代は唐突にやってくる(紀元前300年頃)。 急速な弥生時代への交代については、昔は、「縄文人」と民族的に異なる(大陸から来た)「弥生人」が一気に流入し、九州付近から爆発的にひろまったのだと考えられていた。そうして、稲作をおこなう「弥生人」こそが、日本人の祖型である、という考え。 しかし本書の著者はこれを否定し、縄文人がそのまま「弥生文化」を急速に受け入れたのだ、と考えている。 「東日本の縄文時代終末期の人びとは、新たな文化にカルチャーショックを受け、豊かな縄文文化を捨てた。・・・長年継承してきた生業、社会の枠組みに飽き、衝動的に水田稲作を局地的に選択したように思える」(P282)という著者の推測はいくらなんでも乱暴だと思うが、なにしろ実証できないことは論じてもしかたがない。 ちなみにこの本にはところどころ、縄文人を登場人物とする物語的な空相談が挟まれているが、それらはあまり面白くなく、著者が期待したほど効果的でもないようだ。(この人、小説なんてふだん読まないんだろう) 一方、土偶などが好きな私としては、さまざまな図版がありがたかった。

Posted byブクログ