エデンの命題 の商品レビュー
エデンの命題は途中で「わたしを離さないで」を思い出したが、完全に騙された。 ヘルタースケルターは騙されないようにと思いながら読んだら、少し予想通りだった。
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アスペルガー症候群の子供たちを集めた学園から、少女が消えた。残されたザッカリ・カハネのもとに届いた文書に記されていたのは、世界支配に取り憑かれた民族の歪んだ野望と、学園の恐怖の実態だった。生きるため、学園を脱出したザッカリを待ち受ける驚愕の真実―。ほかに、「21世紀本格」の嚆矢と...
アスペルガー症候群の子供たちを集めた学園から、少女が消えた。残されたザッカリ・カハネのもとに届いた文書に記されていたのは、世界支配に取り憑かれた民族の歪んだ野望と、学園の恐怖の実態だった。生きるため、学園を脱出したザッカリを待ち受ける驚愕の真実―。ほかに、「21世紀本格」の嚆矢となった「ヘルター・スケルター」を収録した歴史的傑作中編集。
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表題作は、旧約聖書から宇宙、そして人間の果てしない欲望。併録の「ヘルター・スケルター」では、ビートルズ、脳の構造、非道な殺人。 島田ワールドが十分に堪能できて、これから島田作品を読みたいという人にもお薦めできる一冊である。
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タイトル作品より「ヘルター・スケルター」の方が好みだったかも。 設定でごちゃっとする処が島田荘司っぽくて読んでいて安心します。
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知識力と想像力の塊。 説得力が物凄くて、ゴリゴリ押すようなことは決してなくて当たり前のように、のめり込む様に読んでしまった。 有栖川有栖、綾辻行人より異形感が強いから好きなんだ。
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「エデンの命題」は「異邦の騎士」、 「へルター・スケルター」は「ネジ式ザゼツキー」の簡易版って印象。 アダムからイブが作られたというのを科学的に説明できる部分もあるんだな。 そこら辺が詳しい本が読んでみたくなった。 カインの末裔の話は、「エデンの東」を思い出した。 結局、罪深い人間が生き残るっていう矛盾は聖書の本質を突いてる気がする。 へルター・スケルターって言えば、ビートルズよりも、 チャールズ・マンソンが浮かぶのがちょっと悲しかった。。
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『エデンの命題』 アスペルガー症候群の患者が住むエデン。しかしその正体が大富豪の臓器の移植のためのクローン人間の牧場だと知らされたエゴン。脱出し自分の臓器を奪う人間を殺害に向かう。 『ヘルター・スケルター』 昏睡から目覚めると2001年と言われた男。顔も70代の老人に。そして女医とともに彼の失われた記憶をよみがえらせていく、その記憶はある犯罪に関するもの。
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2008/11/18 7&yで購入。 2014/7/26〜8/1 「エデンの命題」と「ヘルター・スケルター」の2編からなる中編集。ここのところ島田氏が取り組んでいる、分子生物学や医学の成果を取り入れた内容。「アトポス」あたりからだったと思うが、あまり成功しているようには...
2008/11/18 7&yで購入。 2014/7/26〜8/1 「エデンの命題」と「ヘルター・スケルター」の2編からなる中編集。ここのところ島田氏が取り組んでいる、分子生物学や医学の成果を取り入れた内容。「アトポス」あたりからだったと思うが、あまり成功しているようには思えないなぁ。そういう部分のおどろおどろしさだけを強調しているようで...
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まず、この本光文社から出てるの?という意外さ。 それから、旧約聖書の話なのに宇宙の話から始まるのかよ、というこのワクワク感。 木星の可能性だよメタンだよ、と、こちらの困惑などお構いナシに話を展開していく。いえ、わたしは宇宙大好きなので嬉しかったのですが。 それはカフェで主人公ザ...
まず、この本光文社から出てるの?という意外さ。 それから、旧約聖書の話なのに宇宙の話から始まるのかよ、というこのワクワク感。 木星の可能性だよメタンだよ、と、こちらの困惑などお構いナシに話を展開していく。いえ、わたしは宇宙大好きなので嬉しかったのですが。 それはカフェで主人公ザッカリがガールフレンドに意気揚々と語るお話に過ぎなくて、要するに、木星人と地球人が分かり合えないのと同様、彼らもアスペルガーとして他の人々と馴染めずにここにいるのだ、という前置きなのでした。 ここ――「エデンの園」。一定以上の知能を持つアスペルガー症候群の高校生を集めた学園。 資金だけは出してくれる、親類縁者に見捨てられた子供たちのエデン。 ここでザッカリはガールフレンドのティアと出会い、生きる喜びを知った。 しかしそのティアがザッカリに何も言わず、姿を消してしまった。手紙が届いて、それによるとこの学園はとある陰謀のなかにある、そしてティアはもうすぐ死ぬし、次に狙われるのはザッカリであるという。 ザッカリは逃亡を決断するが―――。 旧約聖書については本当に、何だそれはと信者ではない自分は何度も疑問を投げかけてきていたので、はっきり形にしてくれる物語があったことに安堵しました。 個人的な発見としては、やっぱりカインに付けられたしるしの解釈と、アダムとイブ以外の人間の存在と、蛇の解釈ですね。 文体もなんだかやわらかく詩的で、森博嗣と村上春樹と長野まゆみを足して割ったような雰囲気。 でありながら浮つきすぎない、嫌味にならないのは見事ですね。 そうだったのかと驚くところからさらに引っくり返すのはさすがの島田さん。 そうでなければ危うく、このテの話流行ってんのかよ?と思うところでした。 まだ何かありそうだな、というのがわかりやすいのはご愛嬌。短編だもの仕方ない。寧ろこれだけ短いのにきちんと伏線を張っていることに驚嘆します。 宇宙や生物学について無駄に詳しい文章が最高でした。 もうひとつの物語「ヘルター・スケーター」はビートルズの曲から。 男が目を覚ますと、記憶がない。女医はこう言った。今から五時間以内に記憶を取り戻さないとあなたは一生ベッドの上で生活することになる。これからすべてを思い出して、喋ることで脳に記銘しましょう。 鏡を見ると、37歳のはずの自分の姿はしわくちゃの老人で、男――トマスは絶望する。 自分で思い出すことに意義があるのだ、と、女医は会話のとっかかりは与えてくれるものの答えは教えてくれない。トマスは必死で思い出す。 ベトコンでの戦争の経験、彼の神である「ヘルター・スケーター」の啓示と脳の異常、犯した犯罪の数々・・・。 すべてを語って病室を出たとき、彼は<幽霊>となる。 読者が一番何も知らない立場、というのがイイですね。情報量は女医>トマス>読者という構図。に見える。少なくとも最初は。 おかげでこっちは早く思い出せよとじれったくてしかたない。 こっちのほうは、文体が変えてあっていかにも翻訳小説調。うん、この文体は好きじゃないなあ。 私にとってこの話はおまけみたいなもので、とりあえずエデンの命題が読めたことは大きな収穫だったなあ。
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