新ほたる館物語 の商品レビュー
「良子さん、ほたる館物語の新刊が出はりましたで」 「あらま、お義母さん。そやかて『新』て何なのでっしゃろ。一子もわてらも、『3』からなーんにも変わってないと思いますけど。あん時が正月で、今回が4月ですから、3か月と少ししか経っていまへんで」 「そんなんは、出版世界のわてらに分かれ...
「良子さん、ほたる館物語の新刊が出はりましたで」 「あらま、お義母さん。そやかて『新』て何なのでっしゃろ。一子もわてらも、『3』からなーんにも変わってないと思いますけど。あん時が正月で、今回が4月ですから、3か月と少ししか経っていまへんで」 「そんなんは、出版世界のわてらに分かれへん事情に決まってます。それ言うたら、あれから10年経っとるのに、3か月後というのもおかしい話です」 「あさのあつこお嬢さんも、ヒット作出して、映画化までなって、羨ま、いや大変な時なのに、またわてらの旅館のことを取り上げてくださって嬉しゅうおます。これでまたお客さんが、あの本の舞台はここやなって、来られるかもしまへん」 「ほんま、あんたは、目先のことしか考えてないやんやから。うちは他ではできん、ほたる館だけのおもてなしをすればお客さんは来てくれはります。わかりましたな、良子さん」 「はいはい」 「返事は一回でよろし」 「はーい」 「のばして、どないすんの。お餅やないんやで」 「ついでにしわものばそうかて思うて。ところで、一子は何処にいったん?」 「この前の特別室の事件のときにはひと役買ってくれたから、今日は雪子ちゃんや柳井くんたちと町に買い物や」 「また宿題もほったらかして」 「ええ、ええ、お店の手伝い出来てるからそれでええ」 「お義母さん、今日び、そんなことじゃ若いもんは生きて行けまへんのや」 「いや、あの子はあの子なりにいろいろ考えてるで。わての『あと継ぐんやな』という言葉にも遂にうんと言わんかったしな。病気でよわっている時の方便でも言わんかった。そういうところは芯の強いところがある子や。この前の事件でも、ひとの幸せ、不幸せについてもなんか考えてたで」 「まぁ、明日から6年生なんやから、しっかり気張ってもらわんと。で、こんな、とうとうこの本の内容ほとんど紹介せんで終わりそうやけど、よかったんかしら」 「ええんやないの、いつもほたる館はこんな感じやから」
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
1〜3で終わっといた方がよかった。慣れた人がダレた話書いたみたい。10年は大きいんやろうなー。学級新聞の顛末を書いてくれた方が面白かったと思う。ほたる館関係なくなるけど。
Posted by
あさのあつこさん作品の物語です。ほたる館物語の4つめの作品です。一子とその友達たちがのんびりと成長していく話です。一子が学んでいくことは今だれにでもいえることです。私は読んでいてそうだな~と思いながら読みました。ぜひ読んでほしい作品です。
Posted by
旅館のひとり娘、一子(とその友だち)の成長物語、シリーズ4弾(完結編)。 旅館の人々の会話のやりとりがとにかく面白い♪ ストーリーは、のんびり楽しく読みすすめることができるけれど、 ときどき一子のセリフがハッとさせる。 「自分で決めるということは、覚悟がいるのだ。苦しくても...
旅館のひとり娘、一子(とその友だち)の成長物語、シリーズ4弾(完結編)。 旅館の人々の会話のやりとりがとにかく面白い♪ ストーリーは、のんびり楽しく読みすすめることができるけれど、 ときどき一子のセリフがハッとさせる。 「自分で決めるということは、覚悟がいるのだ。苦しくても寂しくても、誰かのせいにできない。全部、自分で背負う覚悟がいる。」(p.22) 「『のんびりできました。これで明日から、またがんばれます』ほたる館のお客さんは、よくそう言うけれど、明日へがんばるためじゃなく、今その時のお湯の心地よさのために温泉に入れる人がいい。急ぎたくない。急かされたくなかった。」(p.164) などなど。 楽しく読めて、いろいろ気づかされる作品☆
Posted by
- 1