「ジャイロ経営」が社員のやる気に火をつける の商品レビュー
手塚 2010-01-30 09:14:52 「ジャイロ経営」が社員のやる気に火をつける テーマ:本〜感性トレンドの参考に〜 世の中を、感性トレンドという切り口で見るようになってから、 「変わるもの」と「変わらないもの」があることに気がつきました。 人の気分は、ファッ...
手塚 2010-01-30 09:14:52 「ジャイロ経営」が社員のやる気に火をつける テーマ:本〜感性トレンドの参考に〜 世の中を、感性トレンドという切り口で見るようになってから、 「変わるもの」と「変わらないもの」があることに気がつきました。 人の気分は、ファッションやデザインの流行に表れるだけではなくて、 社会活動の幅広い領域に表れるもの、ということもわかってきました。 今回ご紹介する本は、 「ジャイロ経営」が社員のやる気に火をつける パッション・カンパニー 秋元征紘 著 ファーストプレス 刊 ケンタッキーフライドチキン、ペプシ、ナイキ、ゲランという 誰もが知っているグローバルブランドの経営をされた秋元氏。 各ブランドの創業者や、グループトップのとのエピソードを織り交ぜ、実際の経営事例から、企業家の志までを語る内容です。 もちろん、タイトルの「ジャイロ経営」の実践についても 惜しげもなく書かれています。 なんといっても、読んでいるうちに、仕事がしたい!と熱く高揚させられる本でした。 忙しくても、大学で教鞭をとり、学生さんに直接伝えることをされてきた、パッションの人が書くとこうなるのですね。 人を育てる器の大きさを感じました。 秋元氏が、「そのブランドの売り上げや、ブランド価値をいかに高めたか」は、興味のあるところですね。 どのブランドも超有名ですが、そんなビックブランドでも、好不調があることが書かれています。 感性トレンド・ウォッチャーとしては、やはり、ここに注目です。 氏が日本ケンタッキー・フライド・チキンの取締役に就任されたのは、1986年。 感性トレンドで言うと、1985年は、デジタル期の頂点を過ぎて、人々が、アナログ気分を徐々に高めてゆく転換点です。 そして、1986年は、その転換点の翌年ですね。 1985年から2012年までは、アナログ気分を強めてゆく時期です。 この時期は、宇宙開発のようなスケールの大きなものより、自分の住む地球や、地域、家族、自分の体の中と、 身近な所へ気持ちが動きます。 この時期、好調であるためには、企業家の気分が時代の気分にあっていることが重要です。 それを示すことが、この本の中に、いくつも出てきます。 巨大ブランド帝国を築いたLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)グループの ベルナール・アルノー氏のエピソードもその一つです。 M&Aで事業を拡大してきたグループを率いる人、というイメージを覆す、 1996年のLVMHのトップ会議で「スモール・イズ・ビューティフル」を提示したお話。 「比較的小規模な企業の集合体」であればこそ、 「商品や社員や職人と、直接的で個人的で永続する関係を続ける」と、語るアルノー氏。 1999年には、世の中が、この方向に動き出したのを覚えている方も多いと思いますが、 さすがに、一流の経営者は、早くから変化に気付いて、行動するものですね。 さて、2013年に、この気分と真逆の気分が表れることが、感性トレンドでは、読み取れます。 この本に書かれている、事例は、過去のことになってしまうのでしょうか? いつの世も、時代は、移り変わってしまうものです。 しかし、「変わらないもの」もあることが、この本を読んで少し、見えてきました。 感性トレンドに表れる「変わってゆくもの」と、 「変わらないもの」としてのジャイロの軸の部分。 まだ、はっきり言葉にならないのですが、 今後の研究に、とても重要なヒントをいただいたように思いました。
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