ガン日記 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
死に際しての処置12か条を残す 死はさしたる事柄に非ず 生の時は生あるのみ、死の時は死あるのみ、悲しむべきことに非ざるが故に 顧みて幸福なる生涯なりき。このことを天に感謝す わが志・わが思想・わが願いはすべて、わが著作の中にあり このガン日記は、人がいかに生きるかを考えるとき、文の力、言葉の力がどれほど支えとなるかを示す、文学者の真実の記録である 2004年2月8日から6月25日までの間に書かれたもの
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ガン発覚後の心の揺れや、妻との関係などがうかがえて、中野孝次ファンには貴重な一冊。でも、そうでない人にはあまり面白くないかも。文語風の文も、読んでいて心地いいものではないし。 中野孝次は、遅咲きの作家だ。晩年は「老年」が大きなテーマだった。彼の書いた言葉をきちんと理解するには、...
ガン発覚後の心の揺れや、妻との関係などがうかがえて、中野孝次ファンには貴重な一冊。でも、そうでない人にはあまり面白くないかも。文語風の文も、読んでいて心地いいものではないし。 中野孝次は、遅咲きの作家だ。晩年は「老年」が大きなテーマだった。彼の書いた言葉をきちんと理解するには、私ももう少し年を取る必要があるのかもしれない。その点では、一生付き合いたい作家の一人である。 囲碁を愛し、蕎麦を愛し、酒を愛し、犬を愛し、妻を愛し、そして何より文学を愛した男。それが、中野孝次だった。
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