真説・外道の潮騒 の商品レビュー
すべてが自分達の思いどおりになると信じて疑わないテレビ業界の傲然たる態度。全くかみ合わない議論。冷や汗。一見荒唐無稽、ありあないと思える中に自分自身の姿を見る。笑いながらも衿をたださずにはおられなかった。NHKの中原中也は、自分も見ていたので町田氏の思いがより親近感をもって伝わっ...
すべてが自分達の思いどおりになると信じて疑わないテレビ業界の傲然たる態度。全くかみ合わない議論。冷や汗。一見荒唐無稽、ありあないと思える中に自分自身の姿を見る。笑いながらも衿をたださずにはおられなかった。NHKの中原中也は、自分も見ていたので町田氏の思いがより親近感をもって伝わってきた。
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先日報道された、NHKの漫画家への取材のニュースを思い出したのは私だけ? 久し振りに町田先生の本を読了する事が出来た。暖簾に腕押しな虚しさと、時折笑える日本語、楽しく読み終えた。
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本を読んでいて思わず吹き出す、なんてことはなかなかないですが、この本読んでいたら、何度それがあったことか。小説書いてもすごいし、エッセイ書いても面白いし。大ファンです。
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「外道の条件」からはや5年。 マーチダ再びアメリカへ行くの巻。 本を読みながら声を上げて笑う、という人生の中でも数える程しかない体験を繰り返し(しかも一度や二度じゃないんである)気がついたら一日で読了。町田康恐るべし。
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序盤は物語が停滞気味で退屈だが、渡米後の展開は、お馴染みの町田節で一気に読ませる。とはいえ、『宿屋めぐり』の箸休め感は否めない。町田康の作品では駄作の部類に入ると思う。
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「真説・外道の潮騒」は帯に「実録・外道の条件」から八年・・・。 この作品では、かつて主人公へと向けられていた自虐感が他者へと向けられている作品である。 自虐転じて批判となす? 「真説・外道の潮騒」は、「長幼の序」(目下の者が目上の者を敬う)を世に広めたいと思っていた矢先に、「目...
「真説・外道の潮騒」は帯に「実録・外道の条件」から八年・・・。 この作品では、かつて主人公へと向けられていた自虐感が他者へと向けられている作品である。 自虐転じて批判となす? 「真説・外道の潮騒」は、「長幼の序」(目下の者が目上の者を敬う)を世に広めたいと思っていた矢先に、「目上の」人である演出家で株式会社ヘック・ショイスの社長である宗田さんからテレビ出演の依頼を受けることからストーリーが始まる。 「長幼の序」を自ら広めようと思っていた町田氏は引き受ける。 テレビ番組を担当するのはプロデューサーの蟇目ヒシャゴとディレクターの稲村チャルべ。 「自らの精神の旅」がテーマで、渡米し氏の好きな米作家ブコウスキーの作品世界を辿っていく。 ところが企画書を見て驚く氏。 これだとチャルべの考えた「ブコウスキーの生涯」であって、町田氏はどこにも出てこない。 氏は「作家の生涯よりも作品を精読し、内容に対する興味から派生した撮影をしないと」と制作サイドに抗議する。 町田氏側とテレビ制作サイドとのずれ・・・。 ずれたまま、ロスへ飛ぶ。 「とりあえず」撮影する。 ずれはどんどん広がっていき・・・。 テレビ屋の「だんまり作戦」「すりかえご納得作戦」などにも騙されず、自ら「ブコウスキーの作品について」の番組に仕上げたいと、スタッフを説得する町田氏。 果たしてドキュメンタリーは出来るのだろうか。 「テレビ屋」と「物書き」との考え方の違い、またプロデューサーとディレクターの腹立たしいまでの「過去の栄光を背負った錯誤感」などが出ていて面白い。
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はるか年上の演出家、宗田さんに外国に行ってテレビに出演しろ、と言われ、そんなことをするのは嫌で仕方なかったのだけれども、無下に断るのも憚られ、話だけでも聞こう、と思ったことからすべては始まった・・・。
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また買ってしまった・・・・・、無念。 力を込めて、「つまらん」 と言いたい。 コレを読んだ私も 「外道」 かも知れない。 けど、後悔してないよ。
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読んでるこっちが不安になるような内容。 誇張してあるとは思うけど根本はたぶんノンフィクションかと。 がっつり名指しだけど大丈夫なのだろうか。 話が通じない人とか、 自分が一番正しいと思ってる人とか、 そういう人にげんなりさせられた出来事を 町田康はよくエッセイとかでも文章にする...
読んでるこっちが不安になるような内容。 誇張してあるとは思うけど根本はたぶんノンフィクションかと。 がっつり名指しだけど大丈夫なのだろうか。 話が通じない人とか、 自分が一番正しいと思ってる人とか、 そういう人にげんなりさせられた出来事を 町田康はよくエッセイとかでも文章にするけど 外道の条件とこれはその極み。 テレビ側の人間の考えとか本当に共感。 で、面白いけど、笑えない。いや、言い回しとかには笑うけど。 怖くなるから。 自分でもこの本に出てくるような人間にいらいらしたりとか 悪くないのに私が悲しくなったりとか そういう経験があるし、これからもあるんだろうし、 さらにはこれからもっと増えるんだろうなぁと思って。 こういう現実で生きているのだという戒めのような。 ということで、一気に読んだ。おもしろかったー。
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『実録・外道の条件』の続編。例によって半フィクション的小説。 ブコウスキーの足跡を訪ねるという企画で、海外旅行が大の苦手と言うマーチダさんがテレビスタッフの半ば強引な段取りにより渡米、その前段階においても、実際にロケに入ってからもことごとく対立するマーチダさんと業界人とのぐだぐだ...
『実録・外道の条件』の続編。例によって半フィクション的小説。 ブコウスキーの足跡を訪ねるという企画で、海外旅行が大の苦手と言うマーチダさんがテレビスタッフの半ば強引な段取りにより渡米、その前段階においても、実際にロケに入ってからもことごとく対立するマーチダさんと業界人とのぐだぐだな道中を描いたもの。なんだけど前作ほどに楽しめなかったのは、ここ最近の町田康に顕著であるように、本作も冗長さが目立つ。おんなじことを延々と繰り返されるのは正直しんどい。確かに業界人の非道ぶりは分かるのだけれども、マーチダさんも大人げないというか。こやつらの外道っぷりを笑ってこましたろ、みたいな余裕が笑いを生み出していたはずなのに、今回の業界批判はちょっと真剣すぎてあまり笑いに結びつかなかったので残念です。
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