1943年晩秋 最後の早慶戦 の商品レビュー
1943年10月16日、戦時体制下で行われた「最後の早慶戦」。60年ぶりに発見された観戦者のスコアブック等の資料に基づき、試合内容や時代背景などを明らかにする。早稲田大学・慶應義塾大学による初めての共同研究。 笠原和夫・松尾俊治氏による同名の書が当事者の手記や証言を基に構成され...
1943年10月16日、戦時体制下で行われた「最後の早慶戦」。60年ぶりに発見された観戦者のスコアブック等の資料に基づき、試合内容や時代背景などを明らかにする。早稲田大学・慶應義塾大学による初めての共同研究。 笠原和夫・松尾俊治氏による同名の書が当事者の手記や証言を基に構成されているのに対し、奇しくも同年に出版された本書は両大学の共同研究のため、より客観的・実証的だった。当時の写真やスコアブック(存在しただけで凄い)は本当に貴重だ。慶應の小泉塾長が早慶戦開催に積極的だったわけが「無類の野球好き」「早慶戦で負けるのが何より嫌い」だったこと、早稲田の田中総長が開催に消極的だったのは「とかく過熱する早慶戦で万が一事故が起きたら」と心配だったためだが最後は黙認したこと、などが記され興味深かった。 (B)
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