日本共産党の戦後秘史 の商品レビュー
『お笑い革命日本共産党』という本があった。あれはシュミレー ション小説だったが、本書は敗戦後からの日本共産党の実録で あるのにお笑いてんこ盛りである。 「打倒!搾取階級」をスローガンに階級闘争を通じての権力の 奪取を目指している割に、党内はまさに階級社会。頻繁に開かれ る会議...
『お笑い革命日本共産党』という本があった。あれはシュミレー ション小説だったが、本書は敗戦後からの日本共産党の実録で あるのにお笑いてんこ盛りである。 「打倒!搾取階級」をスローガンに階級闘争を通じての権力の 奪取を目指している割に、党内はまさに階級社会。頻繁に開かれ る会議も各々の意見を述べるところではなく、幹部党員の主張を 拝聴する場だ。 自己批判は求められるのに、指導部を少しでも批判しようもの なら除名を含む厳重処分。なので、指導部が提起する綱領は全員 賛成で採用されるという茶番。 スターリンが倒れフルチショフがスターリン批判を行えば、 それまでの日本共産党の方針はソ連から押し付けられたものだと 言い訳をし、毛沢東の中国共産党にすり寄る。 国会でハマコーに「人殺し」呼ばわりをされた宮本顕治が党の トップに座れば、武装闘争よりも機関紙「赤旗」の購読拡大に 力を入れ、下部党員をノイローゼに追い込む。 本来なら手を組んで与党に向かうべき社会党にスパイを送り込ん でいたのに、自民党の力が弱まれば社共連立政権を目指す。 しかし、社共連合で自治体の長に収まれば経済・財政音痴を露呈し、 後には山のような赤字を残して行く。 何がしたかったんだろうなぁ、共産党って。結局は全学連と一緒で 内ゲバばかりを繰り返していたのではないのか? 著者自身、既に除名処分になってはいるが、長く党員であったこと から見聞きしたことも綴られている。 だが、「特高警察の方が、日本を守った」という記述は受け入れら れないな。除名処分にあって「共産党憎し」の気持ちが書かせたの かもだな。 一応、真面目な実録物なのだが、これだけ笑える政治関連書も珍しい。
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相変らずの野党総崩れの中で、日本共産党はわりかしブイブイ言はせてをります。いはゆる「共産党アレルギー」の症状が軽い若い人たちの支持が増えてゐるさうであります。その政策の是非はともかく、旗幟鮮明さが受けてゐるのでせうか。 さう言へば前回の選挙期間中、我が町を訪れた自民党の谷垣幹事長...
相変らずの野党総崩れの中で、日本共産党はわりかしブイブイ言はせてをります。いはゆる「共産党アレルギー」の症状が軽い若い人たちの支持が増えてゐるさうであります。その政策の是非はともかく、旗幟鮮明さが受けてゐるのでせうか。 さう言へば前回の選挙期間中、我が町を訪れた自民党の谷垣幹事長が応援演説の中で、「国民に自分たちのやりたい事を示せる野党は唯一つ、それは日本共産党であります」と述べてゐました。但しすぐそのあとに、「しかし我々は共産党と一緒にやる訳には参りません」と付け加へてゐましたが。 日本共産党(以下、「共産党」と記す)自身も、かつてのガチガチの姿勢から少しづつ変化を見せてゐますね。志位和夫委員長の「ソフト路線」とやらも定着したかのやうです。「選挙協力」を呼びかけるなんて、今までの共産党では、沖縄以外ではまづ考へられなかつたでせう。もつとも、今のところ他党からの色よい返事は無いみたいですが。 さて、そんな共産党ですが、一体どのやうな党だつたのか。かつての党員である、兵本達吉氏が力瘤を入れて執筆した力作がこの『日本共産党の戦後秘史』であります。 無味乾燥な「党史」ではなく(後半はちよつと無味乾燥だが)、著者自らも党員として関はつた立場からの「秘史」でありますので、生々しい内容も含まれてゐます。 兵本氏はスパイ容疑で共産党を除名処分された身でありますからか、個人的な恨みつらみも適当にブレンドされた、辛口の一冊と申せませう。袴田里見・宮本顕治・野坂参三ら共産党の重鎮たちもクズ人間扱ひして躊躇ふところはありません。 いはゆる「五〇年問題」を始めとする党の暗黒史を省みる事なく、党名の改名を勧められたら「改名をする時は、悪いことをした時ですから」としやあしやあと述べる姿勢では、いかに現在綺麗事を並べても本格的な支持は得られないでせうね。 読んで愉しい一冊ではなくて恐縮であります。ぢや、又。 http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-587.html
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日本共産党の「武装蜂起」は、日本国民の支持を得られなかったどころか猛反発をくらい、1952年の総選挙での共産党の当選者は、前回の35人から0へと転落した。後に宮本顕治が、「反共風土」と呼んでなげいた日本の政治的土壌は、自らの犯罪的愚行がもたらしたものであった。 「血のメーデー事件...
日本共産党の「武装蜂起」は、日本国民の支持を得られなかったどころか猛反発をくらい、1952年の総選挙での共産党の当選者は、前回の35人から0へと転落した。後に宮本顕治が、「反共風土」と呼んでなげいた日本の政治的土壌は、自らの犯罪的愚行がもたらしたものであった。 「血のメーデー事件」「大須事件」「吹田・枚方事件」のいわゆる「3大騒擾事件」は、党の「軍事方針」に、基づいたれっきとした「軍事闘争」であった。
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ずいぶん前に読んだと思ったが、刊行が2008年なので、数年前だったみたい。 日本共産党の国会議員秘書も勤めたこともあり、故あって共産党を除名された著者による、戦後の共産党の歩みを綴った作品。 やはりというかなんというか、左翼とは、げにあさましきもの・・・。 他著者・内部告発者...
ずいぶん前に読んだと思ったが、刊行が2008年なので、数年前だったみたい。 日本共産党の国会議員秘書も勤めたこともあり、故あって共産党を除名された著者による、戦後の共産党の歩みを綴った作品。 やはりというかなんというか、左翼とは、げにあさましきもの・・・。 他著者・内部告発者の各書にあるのと同様、諸手を挙げての共産主義国家礼賛な党(その一方で、親ソ派だったのが親中派になったり・・・)や内部権力闘争、いわゆる”赤い貴族”と揶揄される連中のことが記されている。 それにしても、左翼だったり題目唱える某宗教団体だったり、組織を追われた者が突如として痛烈な批判者に成り代わるのは、やはりそれらが正常・健全な組織ではないからなのか・・・。
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2009年の20冊目。日本共産党で国会議員秘書を長年務めていた著者が、共産党の矛盾を告発します。少し難しいとは思いましたが、蟹工船ブームの今だからこそ、読むべき本です。
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