イギリスの宮廷仮面劇 の商品レビュー

山田明廣(著者)

2009/10/04

本というよりは論文。興味がある人には面白いのだろうが、マイナーな分野であり、初見の人にもわかるようにという配慮はなされていない。
その点、研究者向きである。Summary in Englishもついているし、appendixや注釈も英語を使えるなら充実しているといっていい。
ただやはり、読者が誰であり、その読者はどれだけの予備知識を有しているか、またその文書に何を期待し、要求するだろうかを、十分考慮して欲しい。
なお、チャップマンの仮面劇の邦訳が載っている。これは、この本が対象にしている仮面劇群の直近であるシェイクスピア劇（さらに前期と後期で分けるのも有用）と比較してみると面白いだろうと思う。