若きWのあらたな悩み の商品レビュー

ウルリヒ・プレンツドルフ(著者),早崎守俊(著者)

2011/03/10

【新歓企画】ブックリスト：「大学１年生のときに読んでおきたい本たち」
見るからにあれのパロディーで、実際物語はそんな感じ。でも、作中で主人公が「サリンジャーマジパねぇ！」と連呼するだけあって、文体的にはドイツ版『ライ麦畑でつかまえて』という感じ。でも、この主人公の方が、一生懸命勉強するし、一生懸命恋愛するし、一生懸命仕事するし、一生懸命生きて死ぬ。それってどうしてだろう？　と考えると、どこかに行けるかも。かつて戦慄の二十歳だったあの人のように、「サリンジャーフォロワーです（キリッ）」な人は、読んでみるとよろしいかも。「ドイツ文学って、重くて、暗くて、硬くて、歴史が覆い被さって、息苦しいものばっかりだよね」と思っている人に、「そんなことないじゃん！　色々読んでみるものじゃん！」と気付かせてくれる本かも。【M.K.】