ジャン・クリストフ(2) の商品レビュー
(第一巻にも書いたが…
(第一巻にも書いたが・・・)ベートーベンをモデルにして書かれた主人公ジャン・クリストフ。その誕生から物語は始まる。
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伯父の励ましで壁を越えたクリストフだったが、躍り出た自由な魂を待ち受けていたのは虚偽に満ちた社会だった。 発達障害。今の日本ならそんなレッテルを貼られてしまうだろう。クリストフは、あふれる芸術のエネルギーを自由奔放に放出しようとするが、率直すぎる彼の言動はどこへ行っても受け入れ...
伯父の励ましで壁を越えたクリストフだったが、躍り出た自由な魂を待ち受けていたのは虚偽に満ちた社会だった。 発達障害。今の日本ならそんなレッテルを貼られてしまうだろう。クリストフは、あふれる芸術のエネルギーを自由奔放に放出しようとするが、率直すぎる彼の言動はどこへ行っても受け入れられない。そして芸術に対する偽善に満ちた社会に幻滅を抱きつつ、孤独と貧困にあえぐ日々が続いていく。 いくつもの出会いがあってはトラブルって別れる、そんな流れを繰り返すなか、シュルツ老人のように心温まる交流もある。しかし結局は死別によってその関係も閉ざされ、クリストフはあるトラブルに巻き込まれてパリに旅立つことに。そこで待っていたのはドイツと変わらぬ偽りの世界だった。 苦境が長引き重苦しいうえに、文化論や芸術論のような論調の文章が続き、主人公だけでなく読者にも忍耐を強いる巻。音楽にすべてを捧げているクリストフにとって、真実ではない芸術すべてが認められない。しかし虚偽を抱えていない社会などはなく、否応なく衝突を繰り返してしまうのがもどかしい。孤独に沈むなかで、かすかに光る道標のように何度もすれ違う女性の存在が期待感を高める。そしてついにひとりの青年に出会う。その姓は……。 暗闇のトンネルをついに抜けた、解放感のあるラスト。魂の旅は続いていく。
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第一巻に比べると、読み終えるのが大変でした。パリの音楽、文学、それらを取り巻く人々も含めての「文化」に150ページくらい割かれており、それはもうものすごい広がりで書かれているのですが、私の知識・理解では追いつかなくて上滑りしてしまった感じです。第二巻は全体的にクリストフにとって若...
第一巻に比べると、読み終えるのが大変でした。パリの音楽、文学、それらを取り巻く人々も含めての「文化」に150ページくらい割かれており、それはもうものすごい広がりで書かれているのですが、私の知識・理解では追いつかなくて上滑りしてしまった感じです。第二巻は全体的にクリストフにとって若くて苦しい時代なので、こちらも読んでいて少し我慢が必要でした。
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