粘膜人間 の商品レビュー
2人の兄が強靭な肉体を持つ弟の殺害を河童に依頼する場面から始まる終始エロ×グロ×バイオレンスにほんの少しのユーモアが足されたスプラッタホラーで、コンプライアンスフル無視の残虐な描写や作中に出てくる幻覚剤『髑髏』のえげつなさ、そして何より人間の狡猾さと獣の獰猛さを併せ持つ河童の造...
2人の兄が強靭な肉体を持つ弟の殺害を河童に依頼する場面から始まる終始エロ×グロ×バイオレンスにほんの少しのユーモアが足されたスプラッタホラーで、コンプライアンスフル無視の残虐な描写や作中に出てくる幻覚剤『髑髏』のえげつなさ、そして何より人間の狡猾さと獣の獰猛さを併せ持つ河童の造詣が下品ながらも魅力的で良い意味で気持ち悪い小説だった(誉めてる)。思った以上にグロ描写がしんどかったがそれと同等の面白さも確実にあり、続編もあるみたいなので是非読みたい。
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グロテスク一辺倒に思われがちだが、自分は作者のストーリー構成力と文章力に感銘を受けた。 作中に蔓延る、一見会話が通じるように見える怪物達が空恐ろしく、主人公達の非力さも相まって一触即発の緊迫感を生んでいる。 特に、知能は低いが人間の狡猾さと、獣の冷徹な尺度を併せ持った河童が素晴...
グロテスク一辺倒に思われがちだが、自分は作者のストーリー構成力と文章力に感銘を受けた。 作中に蔓延る、一見会話が通じるように見える怪物達が空恐ろしく、主人公達の非力さも相まって一触即発の緊迫感を生んでいる。 特に、知能は低いが人間の狡猾さと、獣の冷徹な尺度を併せ持った河童が素晴らしいデザインだった。 普段は静かな文学をこよなく愛する自分だが、とても魅力的なエンタメ性を感じた。
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筆者に失礼を承知の上でいうと、とっても気持ち悪い小説です。 子供なのに強靭すぎる弟。 弟を殺して欲しいと河童にお願いするところから物語は始まる。。 怪奇のイかれた世界観が、独特の気持ち悪い造語で甘くねっとりと襲ってくる。ぐっちゃね。 尖った荒い文章が魅せる生命力あふれる一冊で...
筆者に失礼を承知の上でいうと、とっても気持ち悪い小説です。 子供なのに強靭すぎる弟。 弟を殺して欲しいと河童にお願いするところから物語は始まる。。 怪奇のイかれた世界観が、独特の気持ち悪い造語で甘くねっとりと襲ってくる。ぐっちゃね。 尖った荒い文章が魅せる生命力あふれる一冊でした。ぐっちゃね(本編造語)
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グロくて面白い。奇妙な世界観に不思議な魅力がある。変に長引かせるよりはこのオチの付け方で良かったと思う。グロが好きな方にはオススメできる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
巨大で凶暴な弟に恐怖し、殺すことを決意した中学生の兄弟、殺しを請け負った河童たち、非国民になり酷い扱いを受ける清美とその兄の秘密。 ドロドロぐちゃぐちゃしてる モモ太の性欲が可愛く見えるくらい、身勝手な性欲を清美にぶつける裕二が気持ち悪い 精神拷問薬、髑髏でみた幻覚は、発育が良い清美の思春期の不安定さとか色々なものが反映されているのかな 雷太がなぜあんな巨体になったのか、雷太vsモモ太はどうなったのか、殺人が見つかった清美はあの後どうなったのか、髑髏を打たれた憲兵がどうなったのか気になりますね..
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本作は第15回日本ホラー小説大賞長編賞を受賞している。 この著者の本は初めて読んだ。 本作では三人兄弟の末弟であり、小学生でありながら、巨大な体と力を持つ雷太が主人公である。 雷太は長兄、次男と父親に暴力を振るい、家族の誰もが、その暴力には抗えなかった。 上の兄二人は雷太を殺そ...
本作は第15回日本ホラー小説大賞長編賞を受賞している。 この著者の本は初めて読んだ。 本作では三人兄弟の末弟であり、小学生でありながら、巨大な体と力を持つ雷太が主人公である。 雷太は長兄、次男と父親に暴力を振るい、家族の誰もが、その暴力には抗えなかった。 上の兄二人は雷太を殺そうと思い、その殺人を河童三兄弟に頼んだ。 時代は戦前の日本で、憲兵隊が出て来る。 憲兵隊のリンチの加え方もエゲツ無い。 この物語には、なぜか、河童や妖怪が出てくる。 ここに出てくる河童は怪力の持ち主で、知能指数は低い。 河童と雷太との会話のやり取りには、笑ってしまった。 河童はどこか憎めない性格で面白かった。 スプラッター描写は結構激しい。 エロ度は、さほどでもない。
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湿度の高い文字列と、凄惨な描写の親和性の高さ。 掻き立てられたくもない想像力が、フル稼働してしまうから要注意。にも関わらず、頁を捲る手が止まらない不思議。ラストはもう少し勢いがあっても良かったと思うけれど、敢えて明言しない事で最後の最後までイマジネーションを刺激してくるのは本当狡...
湿度の高い文字列と、凄惨な描写の親和性の高さ。 掻き立てられたくもない想像力が、フル稼働してしまうから要注意。にも関わらず、頁を捲る手が止まらない不思議。ラストはもう少し勢いがあっても良かったと思うけれど、敢えて明言しない事で最後の最後までイマジネーションを刺激してくるのは本当狡い。
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人間じゃないものならではの感覚や擬音の表現が巧み。 そしてみんな死んだ、、みたいな展開 ハチャメチャなのにわりとストーリーだし、背景や専門知識なくてもやばいアイテムをしれっと登場させられる、フィクションのパワ〜系展開力も感じた
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グロ&ホラー作品。読んでいて心はすっきりしないが謎に惹き込まれ最後まで読んだ。想像力が豊かな人にはきついかもしれないが、読んでいて面白いと思える作品だった
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徹底して奇妙で残虐。そして意味不明。なのに惹き込まれる魅力は著者が持つ文章力と論理性ゆえだろう。想像しうる限りのグロテスクな殺戮シーンなのに、不思議な美しさと説得力を持つ。いずれの描写も詳述し曖昧な表現に逃げていない。決して楽しいお薦めできる作品ではないが「何か凄いものを見た」感...
徹底して奇妙で残虐。そして意味不明。なのに惹き込まれる魅力は著者が持つ文章力と論理性ゆえだろう。想像しうる限りのグロテスクな殺戮シーンなのに、不思議な美しさと説得力を持つ。いずれの描写も詳述し曖昧な表現に逃げていない。決して楽しいお薦めできる作品ではないが「何か凄いものを見た」感がある。ラストは少年漫画のような清々しささえ感じさせる。 これだけ仔細を余すことなく書き切る著者なのに。結局「グッチャネ」はふわっとさせておく。この歪んだユーモアセンスもなかなか好み。
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