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現代の英雄 の商品レビュー

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2012/10/28

レールモントフ自身、実際にカフカスにいたことがあるらしいから、辺境の描写はなかなか美しく楽しめた。  ペチョーリンや登場する女性の行動・心理描写は、なんといってもこれが出版されたのがレールモントフ26歳の時。当然、オレにとっては深みにかけて、まるでロールプレイングゲームの英雄伝...

レールモントフ自身、実際にカフカスにいたことがあるらしいから、辺境の描写はなかなか美しく楽しめた。  ペチョーリンや登場する女性の行動・心理描写は、なんといってもこれが出版されたのがレールモントフ26歳の時。当然、オレにとっては深みにかけて、まるでロールプレイングゲームの英雄伝か、今のその辺にいる高校生の同人マンガを読んでいるような薄っぺらさで、鼻についた。  まあ、彼の若さなら仕方ないだろうが、自分の半分くらいしか生きていない作者が描いた物語はそんな風にしか思えない。 しかも経験という点では、現代人の方がおそらく何倍も密度の濃い生をおくっているだろうしね。 しかし、書かれた時代やこれが醸し出す雰囲気など全体をみると、それはそれで「作品」にはなっているのだろう。

Posted byブクログ

2012/01/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

カフカースの遙けき情景が眼前にありありと浮かんでくる。山々が朝陽に照らされえもいわれぬ色相を帯びる一瞬を捉え、その感慨を言葉に封じ込める表現の豊かさには圧巻。《やうやう白くなりゆく山ぎは……》と共通する心があるのかもしれない。

Posted byブクログ

2011/08/14

196年前の1814年10月15日にロシアのモスクワで生まれて、1841年にわずか26歳で決闘の末に命を落としたミハエル・ユーリエヴィチ・レールモントフの名前とこの著作は、もし大藪春彦がいなかったら、というか私が熱狂的な大藪春彦ファンでなかったら、おそらく知りもしないし読みもしな...

196年前の1814年10月15日にロシアのモスクワで生まれて、1841年にわずか26歳で決闘の末に命を落としたミハエル・ユーリエヴィチ・レールモントフの名前とこの著作は、もし大藪春彦がいなかったら、というか私が熱狂的な大藪春彦ファンでなかったら、おそらく知りもしないし読みもしないものでした。 「俺は好んで何でも疑ってかかることにしている。こういう思考傾向は気性の果断さを妨げるものではない。それどころかかえって、俺に関する限り、いつも、先々どうなるかわからないようなときの方が勇往邁進しているくらいだ。実際、死より悪いことは起ころうはずもないし、死は免れるわけにいかないのだから」 あっ、手に取るのは高校生以来ですが、うっかり油断していると少し何頁か読んでしまいました。 っていうか、この本うっちゃっておいて、こうなれば本家本元の大藪春彦が急に読みたくなってしまいました。 今夜あたりは、ええっと、何がいいかな、そう、あれかな。ラテンの血統・漆黒の髪・燃えるような真っ赤な瞳・褐色の肌の美女、通称エミーこと小島恵美子のやさしく残酷な殺しがほとばしる『非情の女豹』あたりがお似合いかな。 そういうわけで、本書に関しては後日また。ひさびさの大藪春彦です。といっても私、余計なことですが、こうみえても高校生のときに300冊以上ある彼の全著作を読んでしまって、すべて再読ということになりますが。

Posted byブクログ