世界の歴史(23) の商品レビュー
図書館で借りた。 世界の歴史シリーズ23巻目はアメリカ合衆国。既に独立はした後の時代で、独立はしたものの国の領域はまだ東海岸の狭い地域からだ。いわゆる西部開拓時代が本書のメインテーマとなる。南北戦争はもちろん、アメリカがGo Westとばかりに"膨張"していく...
図書館で借りた。 世界の歴史シリーズ23巻目はアメリカ合衆国。既に独立はした後の時代で、独立はしたものの国の領域はまだ東海岸の狭い地域からだ。いわゆる西部開拓時代が本書のメインテーマとなる。南北戦争はもちろん、アメリカがGo Westとばかりに"膨張"していく物語。単純でもなく、今に至る二大政党制も形作られており、政治史だけでも深いのに本書は文化史、アメリカン・ルネサンスなどの側面にも広くスポットを当てる。 うーん、深い。
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19世紀、南北戦争の再建を経て世界第一の工業国に変貌した合衆国。生と政治の成熟、ダイナミックな文化の広がる中、英雄達は大衆の夢を具現した。第一次世界大戦に臨むまでの「アメリカの世紀」を活写する。
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奴隷制でこそ利益を上げえたプランテーション経営を主にする諸州の併合=膨張は、奴隷制に反対する北部(早い時期から合衆国であった先進的諸州中心)との対立構造を内包していた。しかし、膨張せざるをえない時代の趨勢があった[p131]。必然的に南北戦争が起こり、北部が勝利して南部をねじ伏せ...
奴隷制でこそ利益を上げえたプランテーション経営を主にする諸州の併合=膨張は、奴隷制に反対する北部(早い時期から合衆国であった先進的諸州中心)との対立構造を内包していた。しかし、膨張せざるをえない時代の趨勢があった[p131]。必然的に南北戦争が起こり、北部が勝利して南部をねじ伏せる形で決着する[「軍事的圧力、制圧p214]。その奴隷解放は、クー・クラックス・クランなど破綻の水漏れがすぐに出てくる。 アメリカ社会は、初期は農業が優勢であったが、しだいに圧倒的な工業化を達成。その移り変わりは、奴隷解放を促したのであろうか。また、文化的な側面も、初期のイギリス、欧州依存から、次第に独立していくが、その特徴は国家に神話や古典がないということだった。ヒーローものの伝統は、それらがない人々の拠り所となるように育まれ現在も続く独自性の一つ[p358]。しかしやはり、最大の特徴はときには低俗化とさえいわれるような[※エドガー・アラン・ポーが嘆いたような、p406、※あるいはフランスとは異なる映画のあり方の違いにもあらわれるような、p478]民衆の影響力、熱気のようなものか。
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