チェーザレ 破壊の創造者(6) の商品レビュー
中世。キリスト教。庶子。貴族。庶民。異教徒。とても生きづらそう。チェーザレとミゲルの結びつきが救われる。
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借りたもの。 工房放火事件の犯人の判明と裏切りというショッキングな展開。 チェーザレ、アンジェロらの洞察と推理、駆け引きが緊張感を増す。その舞台となる場所が、今までの豪華絢爛な建造物ではなく、石造りの簡素な物置の描写も細かくて、そちらにも目が行ってしまう…… ボルジア家の面々が内...
借りたもの。 工房放火事件の犯人の判明と裏切りというショッキングな展開。 チェーザレ、アンジェロらの洞察と推理、駆け引きが緊張感を増す。その舞台となる場所が、今までの豪華絢爛な建造物ではなく、石造りの簡素な物置の描写も細かくて、そちらにも目が行ってしまう…… ボルジア家の面々が内に秘める泥沼な人間関係が仄めかされる。チェーザレの弟ホアンの嫌味、妹ルクレツィアとの教育係でもあるジュリアは父ロドリーゴの愛人。ルクレツィアの愛くるしい顔に秘める打算的な一面…… そんな中、チェーザレは本当に信頼できる人間を傍に置いている。 腹を割って話すミゲルとアンジェロ。天然でチェーザレを支えているアンジェロのフォローもしているミゲル。 兄の死後、ボルジアを支える一人としてだけでなく後継としての重責を負い、政治的な面にも関わっていくことになるチェーザレ。 クリスマスのミサに挑む司教としてのチェーザレ。 神の子が人の子として世に遣わされた事を祝うクリスマス… チェーザレの神の恩寵はこの世に何を成すために遣わされたのだろうか……
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
チェーザレ恐ろしい。ミゲルには当たり散らすように突き放すようなことを言ってしまうけれど、ミゲルにも本音は言えないのかもしれない。優しさを見せてしまえば、ミゲルをも弱くしてしまうから……。 しかし、アンジェロはますますチェーザレにはまっていくな。スペイン語まで習って、ついていっちゃうのかしら?
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第6巻。工場放火犯の判明、アンジェロの負傷、チェーザレとミゲルの幼少期回想。 冷静沈着で時に冷徹な表情を見せるチェーザレですが、アンジェロに対する年相応の無邪気さや優しさには人間らしさを感じて安心してしまう。 若きチェーザレにのしかかる期待と重責。庶子ゆえの制限は横暴にも感じら...
第6巻。工場放火犯の判明、アンジェロの負傷、チェーザレとミゲルの幼少期回想。 冷静沈着で時に冷徹な表情を見せるチェーザレですが、アンジェロに対する年相応の無邪気さや優しさには人間らしさを感じて安心してしまう。 若きチェーザレにのしかかる期待と重責。庶子ゆえの制限は横暴にも感じられる力によって撥ね退けられていく。幼い頃からチェーザレの傍にいるミゲルは、降誕祭を前にチェーザレの立場を想い複雑な心境をのぞかせる。これから政治的な動きが忙しなくなってきそう。
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アンジェロはどう失望していくのか、それとも信じ続けていくのか、ミゲルの如く。 ミゲルはこのマンガのある意味主役かと思うな。
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チェーザレ・ボルジアを軸にルネッサンスを描くコミックの6巻。 学生を2つに分けた模擬戦。チェーザレ率いる以南軍が勝利する。その祝賀会の喧噪の陰で、チェーザレを狙う密偵2人の正体が明らかになる。 メディチ家の縁で大学進学が叶ったものの、チェーザレに惹きつけられているアンジェロは、...
チェーザレ・ボルジアを軸にルネッサンスを描くコミックの6巻。 学生を2つに分けた模擬戦。チェーザレ率いる以南軍が勝利する。その祝賀会の喧噪の陰で、チェーザレを狙う密偵2人の正体が明らかになる。 メディチ家の縁で大学進学が叶ったものの、チェーザレに惹きつけられているアンジェロは、その場に居合わせる。身近で意外な人物がチェーザレを付け狙っていたことを知ってショックを受け、また、チェーザレをかばって深傷を負う。 密偵は命を落とす。傍らで”Agnus Dei”を唱えるチェーザレ。 実力者ロレンツォ・デ・メディチは体調が思わしくなく、一方で次期教皇選も近い。 チェーザレの幼少期も描かれ、彼が逃れられぬレールの上を歩いてきたのであろうことが窺える。 学位も取得済みのチェーザレが大学を離れる日も遠くない。 どうやらアンジェロはチェーザレに付いていくのではないかと思われる。 *”Agnus Dei”は「神の子羊」の意。 ここでチェーザレが唱えていたのは以下。 Agnus Dei, qui tollis peccata mundi, dona eis requiem. Agnus Dei, qui tollis peccata mundi, dona eis requiem. Agnus Dei, qui tollis peccata mundi, dona eis requiem sempiternam. これは死者のためのミサで唱えるもののようです。 通常の祈祷文の場合、上記のdona eis requiem(「彼らに安らぎを与え給え」)の部分がmiserere nobis(「われらをあわれみ給え」)、dona eis requiem sempiternam(「彼らに永遠の安らぎを与え給え」)の部分が dona nobis pacem(「われらに平安を与え給え」)になります。 これを読んでいて、高校合唱部の頃、パレストリーナ(チェーザレよりは後の時代の作曲家ですが)のミサ・ブレヴィスなど(そういえばグレゴリオ聖歌なんかもあったような)を歌ったのを思い出したのですが、そうか、あれはラテン語だったよなぁと今頃思ったり(^^;)。
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5巻が表のバイオレンスなら、6巻は裏のバイオレンス。そうなると、政治や権謀術数が複雑に絡み合い…となるので、卒業後のチェーザレを取り巻く世界を垣間見ることができました。 で、中盤以降は「絆」の醸成と確認。前者はアンジェロ、後者はミゲル。アンジェロがスペイン語を学ぶことで、より強...
5巻が表のバイオレンスなら、6巻は裏のバイオレンス。そうなると、政治や権謀術数が複雑に絡み合い…となるので、卒業後のチェーザレを取り巻く世界を垣間見ることができました。 で、中盤以降は「絆」の醸成と確認。前者はアンジェロ、後者はミゲル。アンジェロがスペイン語を学ぶことで、より強い結びつきができていくであろうことを予感させておいて、ミゲルと絆を深めてきた過程を見せるという流れ。生意気な物言いであることは百も承知で言わせていただきましょう。さすがプロ! こうやってストーリーを展開させていくのかーと膝を打った次第です。
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※後半ちょっとネタバレありです。 なんていうか、ほんとに構成が上手な作家さんだなあと。画面の魅せ方も心得てるし、ここまでチェーザレ・ボルジアの人間性に踏み込んでいくのか、とも思った1冊。 51話の最後のページ、山岸涼子(日出る処の天子)っぽいなあと思った。チェーザレの表情が厩戸王...
※後半ちょっとネタバレありです。 なんていうか、ほんとに構成が上手な作家さんだなあと。画面の魅せ方も心得てるし、ここまでチェーザレ・ボルジアの人間性に踏み込んでいくのか、とも思った1冊。 51話の最後のページ、山岸涼子(日出る処の天子)っぽいなあと思った。チェーザレの表情が厩戸王子と重なったからなんだけど、ミゲルが自分と同じ人間としての目線でのチェーザレを思っていく過程も、ちょっと似ている気がする。 私がチェーザレに出会ったのは塩野七生さんの作品でなんだけど、あの人の書くチェーザレは完全にヒーローだからなあ。惣領さんのこの目線は今までのチェーザレものにはない高さだと思う。今までの時代考証への真摯さを思えば、そういう描き方をするのもごく当然だろうと思うんだけど。今までは物語の展開に重点を置いていたと思うので、ここまで引き込んでからそういうものもきちんと描いてくれるその姿勢が嬉しいし、力量に感動する。 子供の頃の回想シーン、お互いに気遣いあう小さなチェーザレとミゲルに胸が痛くなった。けなげでひどく人を思いやって、やわらかい心を持っているんだけどそれは持って生まれた性質だというだけではなく、環境がそれを彼に強いたのであり、おとなにさせているということ。 まあ、子供のほうが空気読むし求められている自分を察して演技するものだけどね。演技は後でひずみがでるので、つらいよね。だから、押さえ込んでいるつらさを共有できるともだちを得たことは良かったな、と物語なのに本当にそう思ってしまった。 続きが非常に楽しみです。ほんと。毎年チェーザレのために秋と春が楽しみになってる。
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今号で再びこの時代の庶子というのがどういう存在であったのかを思い知らされました。 考えてみると不思議ですよね~。 日本ではどちらかと言えば殿様の血を残すことに重点が置かれ、いわゆる側室を持つことが支配者階級であれば言わば常識であったのに、海の向こうでは逆に正式な婚姻を経ていな...
今号で再びこの時代の庶子というのがどういう存在であったのかを思い知らされました。 考えてみると不思議ですよね~。 日本ではどちらかと言えば殿様の血を残すことに重点が置かれ、いわゆる側室を持つことが支配者階級であれば言わば常識であったのに、海の向こうでは逆に正式な婚姻を経ていない男女間に生まれた者であれば、仮にそれがそこそこの立場の人であったとしても「人としての存在そのもの」が認められないとは・・・・・・。 確かにミゲルが言うとおり「それが教義」であり、その教義をベースにした信仰生活を否定しない以上「それがお前たちが望んだ世界」と言われてしまっても仕方ない・・・・とは思うけれど、何だか複雑な気分です。 もっとも KiKi がキリスト教という宗教をどこかで胡散臭いと感じるのはまさにそういう部分なんですけどね。 「あの当時は○○だった」とか反省するのはいいとしても、やはり「愛」を語る宗教の割には「愛のなんたるか?」みたいな部分に関しては首を傾げることが多いような気がしてしかたない・・・・・とでも言いましょうか。 KiKi は別にキリスト教の信者の方々を胡散臭いとは思わないけれど、宗教として見た時、KiKi 自身は信じられないと言うか、逆に聞きたくなってしまうのですよ。 「あなた方が言う愛って何??」ってね ^^; ま、それはさておき、例の工場の放火犯がはっきりした今号。 わかってみるとあまりにも悲しい結末でした。 フィオレンティーナの中にそんな人たちがいたこと自体は、ジョヴァンニにとっては辛い話でもまあ KiKi にとってはある種どうでもいいことなんだけど、ロベルトやドラギニャッツォがそれに手を出した動機があまりにも悲しいなぁ・・・・・と。
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チェーザレを狙うフィオレンティーナの間者をやっと始末するが、意外な結末だった。 中盤以降はボルジア家内の話。
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