取引相場のない株式の税務 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
本書は判型B5判の約200頁の書籍ですので、「評価明細書の記載の手引き」的な感じで手に取られた方が多いと思います。確かに前半の「第1編 評価の概要と留意点」(pp1~117)は実際の評価実務のリファレンスを意識した構成で、作業手順や判定フローチャートの分かりやすいものが示されており(pp1~65)、その役割を十分果たすものと思われます。 ただ、個人的な本書のおすすめ部分は、「第2編 売買時価と税務の取扱い」(pp120~202)です。非上場株式等のいわゆる「時価マトリックス」のような表を用意し、「取引当事者(法人・個人/支配・非支配)」と「適用される税務上の時価」により16の取引類型に区分した上で、その各々に解説を行っております。本書のこの部分は慎重・堅実なトーンで書かれており、実務上の判断にも色々と示唆を与えてくれるものなのですが、「図表」の使い方が、私には、とても巧妙に思えました。「一物二価」のイメージが上手く伝えられていると思います。会計事務所の方などは、クライアントに提示するプレゼン資料のアイデアとして、非常参考になるものだと感じております。
Posted by
- 1