セックスの哀しみ の商品レビュー
強烈な毒を放つ超短編集。この毒は文字通り中毒性が高く、一編で終えようと思っても(ほとんどが1~3ページ程度ということもあって)それが難しい。結果、いくつか読み続けてしまうのだけれど、毒性が高いので途中で何だか気持ちが悪くなったり、嫌気がさしたり、様々な症状を引き起こす。 こうした...
強烈な毒を放つ超短編集。この毒は文字通り中毒性が高く、一編で終えようと思っても(ほとんどが1~3ページ程度ということもあって)それが難しい。結果、いくつか読み続けてしまうのだけれど、毒性が高いので途中で何だか気持ちが悪くなったり、嫌気がさしたり、様々な症状を引き起こす。 こうした問題点を解決するため、ワタシは本書をトイレ本にした。本書に触れる時間を長すぎず、短すぎず、ほどよい時間に抑え、仮に気持ちが悪くなってもトイレを出て場所を変えることでそれを緩和。 はたして、作戦は大成功に終わった。
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難解な読書でありました。 難しい言葉なんか使っていないのに、言葉の意味がするりと抜けおちて、残った言葉の抜け殻は一体何を意味しているの?って感じで。 ストーリーなんてないようなもの。 では、文体を楽しめばいいの? それとも突拍子もない発想に驚けばいいの? 訳者の柴田元幸による...
難解な読書でありました。 難しい言葉なんか使っていないのに、言葉の意味がするりと抜けおちて、残った言葉の抜け殻は一体何を意味しているの?って感じで。 ストーリーなんてないようなもの。 では、文体を楽しめばいいの? それとも突拍子もない発想に驚けばいいの? 訳者の柴田元幸によるあとがきには、こう書いている。 “ひとつのテーマのまわりを短い物語たちがゆるやかに旋回するような按配に配置され、読み進めていくうちに、長編とも短編集とも違った不思議な統一感が生じてくるのである。” このひとつのテーマというのに気づいたのが230ページ目。 “「なにもかもわかったぞ―薔薇とか何かも。これはみな、何らかの内的風景なんだ。僕の奥底にある魂によって喚起された、女たちが僕にした仕打ちを表現する情景なんだ!そうだ、まったくそのとおりだ、ぼくは女たちに殺されたんだ!」” 時間も空間も超えて僕が経験したり空想したりするこれらの物語は、男女の間のわかり合えない部分。 ささやかな喜びと大いなる哀しみ。 同居している男女が、互いの浮気をどうやって知るのか。 「家庭内諜報」が面白かった。 とはいえ、難解であったことに何ら変わりはないのだけれど。
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恋愛はいつも当人には哀しくて他人には滑稽だ。 バリー・ユアグローのグロステクで悪夢的な文体で書かれた超短編集。 タイトルのせいか、本棚にあると友人から怪訝な顔で見られる本ナンバー1。
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タイトルがダイレクトでインパクト大。 短編集ということですが、内容はそこまでタイトル通りの真理にはたどり着いていないイメージです。 軽い読み物です。 暇な休日、日の当たる窓辺で物語りを転がすように読みたい一冊。
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だいたい2/3くらいは「作者は病気」的な話ですが、その反面、二度と会わないと誓いあった元彼女がなぜか部屋にいる話など、失恋の悲しみと情けなさの描写は秀逸だと思います。 どこまでがメタファでどこまでがネタか、考えているとどんどんと深みに塡っていくので、何も考えずに楽しむのが一番か...
だいたい2/3くらいは「作者は病気」的な話ですが、その反面、二度と会わないと誓いあった元彼女がなぜか部屋にいる話など、失恋の悲しみと情けなさの描写は秀逸だと思います。 どこまでがメタファでどこまでがネタか、考えているとどんどんと深みに塡っていくので、何も考えずに楽しむのが一番かもしれません。 個人的には、主人公(殆どの場合、作者)のプレイボーイ的な台詞に実用性があるのか知りたい所です。
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