一日じゅう空を見ていた の商品レビュー
30年経っても色あせない。鮮やかに写真のようなイメージが蘇ってくる。文学作品というのとは少し違うかもしれないけど、こんなに風景を鮮明にイメージしている小説ってないような気がする。
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彼は誕生日を覚えていてくれていた。プレゼントを考えているけれどもなにがいいだろうか、とも言ってくれた。ごく日常的なきっかけから屋根のない2シーターを手に入れた彼女は、秋の高原のターンパイクを彼に運転してもらってこの自動車で走りながら、自分は助手席をうしろに倒して一日じゅう空を見て...
彼は誕生日を覚えていてくれていた。プレゼントを考えているけれどもなにがいいだろうか、とも言ってくれた。ごく日常的なきっかけから屋根のない2シーターを手に入れた彼女は、秋の高原のターンパイクを彼に運転してもらってこの自動車で走りながら、自分は助手席をうしろに倒して一日じゅう空を見ていよう、と思いついた。このアイディアを彼が実行してくれるなら、自分の誕生日の最高のプレゼントになる。−−−という夢のような表題作ほか六篇に、大谷勲の写真によるエッセイ二篇を加え、お届けする。 タイトル・バック スイッチ・ヒッター (『月刊カドカワ』1983年6月号) 心持ち <写真1>夜のあいだずっと 大谷勲 巨大な月曜日 (『All Right!』1983年4月号) 水瓜を射つ女 <写真2>ブルー・スカイ 大谷勲 熟睡する女性の一例 (『野性時代』1983年10月号) 一日じゅう空を見ていた 著者とのインタヴュー 江原麻衣子 「心待ち」 田舎の夏の感じと最後がベタつかず、さらっと逃げていくのがよい。 「巨大な月曜日」 節度のあるサーファー。 「熟睡する女性の一例」 なぜか幕張を舞台にして頭の中で映像化していた。きちんとした大人のひととき。
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短編集。男と女の会話が中心。著者へのインタビューも少しある。そこで男と女の生理的な違いはあれど、本当の意味で自己をまっとうしていれば男も女もない、という話は納得した。そういう男や女は魅力的だと思う。 あと「一日じゅう空を見ていた」が一番好み。
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