ラッセル結婚論 の商品レビュー
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結婚という制度そのものの起源や、結婚が一体どういう意味づけをもち、人々にどういう影響をもたらしているか。というマクロな視点と、個々人同士の男女の結婚に必要なこと、子供への影響などを論じる。 それぞれ、なぜ下のような縛り付けが生まれたかなどを考察する。さらに社会への影響や、将来どうなるか、試験結婚なども紹介する。そのほか人口や優生学といった国家や全体的な観点でも考える。 第21章の結論を読めば大体わかる。そのほか解説が各章を非常に端的にわかりやすくまとめてくれている。 お互いの不倫を縛り合って我慢をする結婚は、お互いにも子供にもよくない。それなら離婚した方がいい。離婚があまりにやりづらい。かといって離婚を軽々すればいいというものでもない。 お互いを縛り付けあうのではなく、お互いの自由を尊重することが重要。 良い結婚の神髄は、お互いの人格に対する尊敬と、それに肉体的にも精神的にも知的にも深い親密さが結びついていることだ。そういう尊敬こそが、男女の間の真面目な愛情を、人間のあらゆる経験のうち最も実りある豊かなモノにしてくれる。 そのようなものは、偉大で貴重なものがおおよそそうであるように、それ自体に道徳を要求し、しばしば大いなるもののために小なるものを犠牲にすることを求めるが、その犠牲は自発的なものでなければならない。 子供への性の禁止も、禁止するからよけい好奇心がわく。好奇心を満たせばいい。 ロマンチックな結婚についても、それはきっかけであればいいが、結婚をいつまでも幸せなものにするには、もっと親密で愛情深く現実的なものである、という。 第10章 ◯文明人の男女が、結婚生活で幸福になるためには、次の条件が満たされなければならない 1.両者の側に完全な平等観がなければならない 2.お互いの自由を決して干渉してはならない 3.限りなく完全な肉体的・精神的な親密さがなければならない 4.価値の基準について、ある程度の共通項がなければならない よい結婚の真髄は、お互いの人格に対する尊敬と、それに肉体的にも、知的にも、精神的にも深い親密さが結びついていること。 そういう尊敬こそが、男女間の真面目な愛情を、人間のあらゆる経験のうちで最も実り豊かなものにしてくれる。
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作品紹介 現代イギリスを代表する思想家であり、活動的な平和主義者として活動し続けたバートランド・ラッセル(1872-1970)が結婚と性道徳の諸問題を、個人のレベルから、夫婦,家族,国家,国際社会のレベルにわたって情熱的に論じたロングセラー。 既刊の『ラッセル幸福論」 「ラッセ...
作品紹介 現代イギリスを代表する思想家であり、活動的な平和主義者として活動し続けたバートランド・ラッセル(1872-1970)が結婚と性道徳の諸問題を、個人のレベルから、夫婦,家族,国家,国際社会のレベルにわたって情熱的に論じたロングセラー。 既刊の『ラッセル幸福論」 「ラッセル教育論」とともに、ラッセルの人間観を伝える三部作(表表紙より引用)。
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昔の人だ…と思う箇所はあったが、十分に面白かったし感動するパートがたくさんあった。 いろいろ考えることはあったが、最後の文章の「愛を恐れることは生を恐れることで、愛を恐れては人間は生きれない」という言葉がいちばん心に響いてきた。
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この本を読む意義は何か。 無意識のうちに支配してくる信念からの自身の解放である。 「キリスト教教育によって、 われわれの大部分のものがいだきやすくなっている先入観をできるかぎり排除しながら、 カトリックとプロテスタントの両面から、 キリスト教倫理の全体を再検討する必要がある...
この本を読む意義は何か。 無意識のうちに支配してくる信念からの自身の解放である。 「キリスト教教育によって、 われわれの大部分のものがいだきやすくなっている先入観をできるかぎり排除しながら、 カトリックとプロテスタントの両面から、 キリスト教倫理の全体を再検討する必要があることは、明らかだ。 特に幼年期にくりかえし強調された主張は、たおていの人に、無意識までも支配するような強い信念を植えつける。」 古典を読む価値はここにある。 常識の破壊、信念の再構築。 自分の慣れ親しんだ色眼鏡を叩き壊し、 新たな眼鏡を創造していこう。
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非常によく読まれたと思われる重要書。世の中を変えた一冊。必読。それにしても文化人類学的な知識はひどいものだし、ラッセル先生勝手すぎる。
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