あわせ鏡に飛び込んで の商品レビュー
後味の悪い話が好きな人、 病んだ恋愛やほんのりホラーのような暗めの話が好きな人 そういう人には結構オススメ。 あと読んだ後、結構友達への話題の種になる。
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軽快な短編集 いろんなタイプのミステリーが詰まってる。楽しい作品集だ。軽く読めるし、オチも決まるから、旅行の友にいいかな。
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ロアルド・ダールの作品のような,「奇妙な味」の作品ばかりを集めた短編集。井上夢人になってから,いろいろなところで掲載していた短編の寄せ集めなので,作品のバリエーションも豊富であり,作品のデキも玉石混交。さすが井上夢人といえる物語作り,小説作りのうまさは感じるが,いまいちの作品もある。一番面白かったのは「千載一遇」かな。評価は…★3で。 個々の短編の感想は以下のとおり ○ あなたをはなさない 別れ話を切り出された女性が,男と自分を接着剤で張り付けてしまうという作品。もし,コメディタッチでこの作品を描けばシチュエーションコメディになっていただろうから,強いていうならシチュエーションホラーか。接着剤を利用して,女が自殺するというオチ。あらすじだけ聞くと,たわいもない話だが,そこそこ楽しめるのは井上夢人のうまさか。 ○ ノックを待ちながら 夫によく似た人間を殺害し,保険金を奪おうとする夫婦の話。最後の最後で,妻が自分も殺そうとしているのでは?と疑いを持った男が,妻が毒薬にすりかえ可能だった「砂糖」が入っているはずの袋を飲むのか,飲まないのかというシーンで終わる。リドルストーリーのお手本のようなオチだが,途中の展開など,アラは多いかな。 ○ サンセット通りの天使 「誰が書いた小説か当てる」というテーマで書かれており,翻訳もの調で,井上夢人っぽい文体ではないが,物語の骨格は井上夢人らしい「よくできた作品」である。配達員を装って脱出しようとしたら,もう一人の配達員が,すでに殺し屋に入れ替わっていたという話。小説巧者が書いた作品っぽい。 ○ 空部屋あります 一転して,奇妙な味の作品。ファンタジーというかホラーというか。ミステリ的な解決はなく,まさに奇妙な味。世にも奇妙な物語のネタなんかになってもよさそう。デキとしてはふつうかな。 ○ 千載一遇 倒叙モノとして始まるが,途中からの展開は新鮮。双方が双方を殺そうとしているという展開はありがちだけど面白い。オチの妻が裏切っていたという部分は伏線がないのが残念だが意外性はある。そこそこのデキ。 ○ 私は死なない ホラー。これは怖い。霊のような存在になるが,死ぬことも気絶することもできず,苦しみだけは感じる。そういった存在になった死体が,解剖され,火葬されるという…。怖い。 ○ ジェイとアイとJI 評価が難しい作品。プログラム言語などが登場し,取り扱っている題材はとても好みだが古い。一転,オチは,よくある妄想モノ。伏線もないし…及第点以下かな。 ○ あわせ鏡に飛び込んで ちょっと込み入りすぎていてすっきりしない作品。自殺である証拠を探す…と見せかけて罠をしかけていると見せかけて実は死んでいませんでしたって…。うーん,これも及第点以下。ジクソーパズルと組み合わせた作品ということで制約がおおかったのかも。 ○ さよならの転送 日常の謎系になるのか。留守番電話を使ったトリック(トリックとも言えないか…)も陳腐だし,オチもよく分からない。凡作と言わざるを得ないか。 ○ 書かれなかった手紙 さすが物語巧者の井上夢人と思わせる技巧的な作品。こういう作品は好き。小説としてではなく,ミステリとして読めば面白い。
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長いスパンをかけて書かれた短編が一冊にまとまってます。始めの話と途中これは無理という話もありましたが、全体的に今まであまり読んでこなかったタイプの本でした。何となく予想がつくものから全く考えていたものとは違うものになる話と、なかなか楽しめました。明るい話は多分なかった、寧ろ胸に少...
長いスパンをかけて書かれた短編が一冊にまとまってます。始めの話と途中これは無理という話もありましたが、全体的に今まであまり読んでこなかったタイプの本でした。何となく予想がつくものから全く考えていたものとは違うものになる話と、なかなか楽しめました。明るい話は多分なかった、寧ろ胸に少し残る重い話かちょっと背筋が寒くなる(恐ろしいほどのホラーではない)読後感の話でした。
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最後にカチリと気持ちよい音を立ててパーツがはまる小気味良い短編ばかりに大満足。 読後はついついニンマリとしてしまう、面白い。 長編もよく短編も良し、ただいまどハマり中な作者。 まだまだ他の著作も読んでみたい。
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「魔法使いの弟子たち」が面白かったのでこの作家の別作品に挑戦。ミステリー短編で読みやすくてなかなか面白かったけどツボにはまるほどではなかったかな。やっぱり短編よりも長編の方がいいかも。
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【地球の裏側には家が逆さに立ってるって思うと凄く不思議な気持ちにならない?】 僕は好き。少し長い星さんみたいだ。
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1990年代前半に書いた″奇妙な話”風短編を集めたもの。 読んだ記憶があるものが大半だが、覚えがないものも若干あり。 構成を工夫して、どんでん返し(時に何段階もの)を作って、これこそ短編小説という感じ。 「千載一遇」が一番どんでんしていたかな。 「私は死なない」なるほどねー。 ...
1990年代前半に書いた″奇妙な話”風短編を集めたもの。 読んだ記憶があるものが大半だが、覚えがないものも若干あり。 構成を工夫して、どんでん返し(時に何段階もの)を作って、これこそ短編小説という感じ。 「千載一遇」が一番どんでんしていたかな。 「私は死なない」なるほどねー。 「ジェイとアイとJI」、2008年に刊行するのにこれ載せないほうがよかったんじゃないかなあ。1992年って、人工知能とかもっとやられてたんじゃないのかなあ。歴史的意味はあるということか?
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ちょっと読後感がすっきりしないというか、よい意味でね。 例えば「あなたをはさなさい」は、女性の強すぎる愛情が引き起こす恐怖。接着剤で繋がれた手(女性と男性ね)。 それだけでも気味が悪いけど、彼女の最終的な手段はその状態で、彼に殺されること。本当は彼が殺したわけではないのに、そのように仕向け、彼を加害者に仕立てるってことに。それで自分が死んだとしても。 本当に怖い。 もちろん、彼女が死んだというところで話は終わり。残ったのは、彼女の口をふさぐ彼の手。 もしこれに続きがあり、警察がきて彼がどのように疑われるかはわからない。どこかに矛盾があれば、彼の疑いは晴れるだろうけど、状況が状況なだけにね・・って思わせる。 それに彼女の思いの強さ。別れたくないばかりに・・。 悪い意味での究極の愛情の表現よね。 こんな感じで、男女のかけひきについての短編集。
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夜にも奇妙な物語の原作になれそうな話が詰まった短編集 オチが印象的だったのはあなたをはなさない 好きなのは書かれなかった手紙、かな ミステリーばかりかと思いきや すこし不思議系のお話もあったりで良い だがどれもいい終わり方をしないのが残念
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