力道山 の商品レビュー
岡村正史 『力道山 人生は体当たり、ぶつかるだけだ』 力道山伝記。 木村政彦の本の後に読むと…。 2014年読破
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文句なしの力作ですね。 力道山に関する著作と言えば、戦後復興期のヒーローで あるとか、在日朝鮮人としての成功と葛藤にスポットが 当てられているものがほとんど。 でも、本書は徹底的に力道山とプロレスの関わりに絞って 書いている点で、こうした著作とは趣を異にしています。 ...
文句なしの力作ですね。 力道山に関する著作と言えば、戦後復興期のヒーローで あるとか、在日朝鮮人としての成功と葛藤にスポットが 当てられているものがほとんど。 でも、本書は徹底的に力道山とプロレスの関わりに絞って 書いている点で、こうした著作とは趣を異にしています。 ”この本は力道山の評伝であると同時に、ひとつの プロレス論なのである。” ”私はマニアックな「力道山史家」ではない。(中略) 私は「プロレス文化研究家」である。” 結果、本書は類まれなプロレス論になっていると同時に、 秀逸な文化論にもなっています。 力道山に関するありとあらゆる文献を検証した著者の 岡村さんは、文献の中の数々の誤りを指摘していますが、 その誤りを決して訂正したり非難したりすることはない んです。 そうした誤りが発生した背景に冷静な分析のメスを入れる ことで、力道山、そして日本のプロレスの持つ文化を あぶり出しています。 この手法はお見事というほかありません。 このほか、当時の新聞記事を使って、読売、朝日、毎日 各紙のプロレスに対するスタンスと、その変遷を分析した 部分は、プロレスというものをどう理解していいのか 分からない当時の世相も分かってとても興味深いです。 本書で紹介されている当時の新聞の見出しの一部はこの ようなもの: 「結局は八百長の面白さ」 「プロレス的なエネルギー」 「ショーの線ははずすな」 「プロレスも教養」 ところで、力道山の死後20年経って制作された追悼番組の 中で、元レスラー達が出したコメントを評した部分を読むと、 岡村さんの基本的なスタンスが分かります。 岡村さんは、模範的な追悼の言葉を述べるに終始したルー・ テーズやザ・デストロイヤーを、”ちっとも面白くなかった” と切って捨てた一方で、「力道山、お前は地獄に堕ちた!」 とカメラの前で力道山をさんざん罵った”ブラッシーのプロ フェッショナルぶりに私は感動し、自然と涙が出た”と書いて います。 プロレスへの著者の愛情と、プロレスとはかくあるべき、 という著者の熱い思いが感じられたこの一節は、個人的には いちばん印象的でした。
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[ 内容 ] 力道山(1923~1963)、プロレスラー空手チョップで一躍戦後日本のヒーローとなり、プロレス界の礎を築いた力道山は、いかなる人物だったのか。 本書では、あまりに自明ながらも語られてこなかった「プロレス」という視点から、知られざる素顔を描き出す。 [ 目次 ] 第...
[ 内容 ] 力道山(1923~1963)、プロレスラー空手チョップで一躍戦後日本のヒーローとなり、プロレス界の礎を築いた力道山は、いかなる人物だったのか。 本書では、あまりに自明ながらも語られてこなかった「プロレス」という視点から、知られざる素顔を描き出す。 [ 目次 ] 第1章 プロレス以前 第2章 プロレス修行 第3章 日本のプロレスが始まった 第4章 木村政彦戦 第5章 プロレス・ブームの光と影 第6章 プロレス人気下降す 第7章 興行からテレビへ 第8章 ヒット商品「ワールドリーグ戦」 第9章 テレビ時代の陰影 第10章 最晩年 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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