マネーチェンジャーズ(上) の商品レビュー
生誕100年を迎へたアーサー・ヘイリー(1920-2004)の『マネーチャンジャーズ』であります。銀行業界といふ一見地味で堅実な商売を取り上げてゐますが、これがまたダイナミックなストオリイなのですよ。 米国の主要銀行の一つ、ファースト・マーカンタイル・アメリカン(FMA)銀...
生誕100年を迎へたアーサー・ヘイリー(1920-2004)の『マネーチャンジャーズ』であります。銀行業界といふ一見地味で堅実な商売を取り上げてゐますが、これがまたダイナミックなストオリイなのですよ。 米国の主要銀行の一つ、ファースト・マーカンタイル・アメリカン(FMA)銀行の頭取が余命幾許もない事を公表、俄かに後継者問題が持ち上がります。ロスコー・ヘイワードといふ利益最優先の男と、アレックス・ヴァンダーヴォールトなる公共性重視の人物の争ひとなりますが、情勢は五分五分と見られてゐました。お互ひに決定打が無い中、副会長のジェローム・パタートンが暫定的に頭取に就任、その暫定期間中に改めて二人のうち何方かを選ぶことになります。 そんな折、FMAダウンタウン中央支店で、6000万ドル紛失事件が起きます。当初は出納係りにファニータ・ニュネスといふ女性に疑ひがかかりますが、FBIの捜査で同支店営業主任補佐のマイルズ・イースティンの犯行と判明、彼は当然解雇され、実刑判決を受けます。 一方ロスコー・ヘイワードはガリヴァー企業体シュープラナショナルの会長・クォーターメインの知己を得、関係を結ぶことに成功します。シュープラナショナルへの巨額融資は、ヴァンダーヴォールトの反対にも拘らず、賛成多数で承認され、ヘイワードの評価は上がり、次期頭取へと近づいたかに見えました。 ところで刑務所へ送られたマイルズ・イースティンは、獄中で囚人たちの強烈な洗礼を受けてゐました。彼は若い美男子といふ事もあり、囚人たちの恰好の標的になつてゐたのです。 サテマイルズの運命や如何に? 上巻はここまで。やや広げ過ぎた風呂敷をどうするのか。下巻で如何にまとめるのか、注目であります。
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ある日、突然緊急の取締役会が召集された。会の冒頭、頭取のベン・ロッセリが自分の余命が僅かであることと頭取の交代を告げる。後継候補に指名されたアレックスとロスコー。公器としての銀行に沿う考え方のアレックス、大口の顧客にシフトを訴えるロスコーと異なるふたりの間で熾烈な競争が勃発する。
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銀行の頭取の余命がわずか。時期頭取には2人の有力な候補がいる。頭取の席を争い、一方は公共の福祉を重視する方向へ、他方は投資を行い利潤を増やす方向へ。
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