哲学者・中村雄二郎の仕事 の商品レビュー
岩波書店の編集者として、長年にわたり中村雄二郎の仕事をサポートしてきた著者が、中村の思索のあゆみをたどった本です。 著者と中村との交流については、いくつかのエピソードが紹介されてはいますが、著者は「氏の哲学的営為は、私的な関係をはるかに超えて、普遍性を持っている」と述べて、むし...
岩波書店の編集者として、長年にわたり中村雄二郎の仕事をサポートしてきた著者が、中村の思索のあゆみをたどった本です。 著者と中村との交流については、いくつかのエピソードが紹介されてはいますが、著者は「氏の哲学的営為は、私的な関係をはるかに超えて、普遍性を持っている」と述べて、むしろ中村の著作をていねいに追っていくことで、多様な領域にわたって展開されたその思索のひろがりを読者に示そうとしているといってよいように思います。 ただ、中村自身のことばで中村の思想を語らせたいと意図してのことなのでしょうか、引用が多くて著者自身がそれらをどのように理解しているのかということが見えてこないように感じました。もっともそうした仕事は、中村の仕事に学んだ哲学者に任せるべきことなのかもしれませんが、むしろ中村自身の著作を読んだほうがよいのではないかという気になってしまいました。
Posted by
現代日本の哲学者中村雄二郎の思想と活動を研究するうえで唯一無二の文献資料であります。 ■横国大附属図書館所蔵データ http://opac.lib.ynu.ac.jp/cgi-bin/opc/opaclinki.cgi?isxn=9784901510677
Posted by
- 1