注文の多い料理店 の商品レビュー
「生徒諸君に寄せる」がよかった。 茨木のり子さんの「自分の感受性くらい」を思い出す。 豆本の題材を探して。「序」もいいな。つくろう。届けよう。 「あなたのすきとおったほんとうのたべものになること」を願って。
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序文に感じいりました。 「これらの わたくしのおはなしは、 みんな林や野はらや 鉄道線路やらで、 虹や月あかりから もらってきたのです。」 更に、なんのことだか わけのわからん箇所は、 著者自身にもまたわけ がわからないのである、 と続きます。 わけがわからなく...
序文に感じいりました。 「これらの わたくしのおはなしは、 みんな林や野はらや 鉄道線路やらで、 虹や月あかりから もらってきたのです。」 更に、なんのことだか わけのわからん箇所は、 著者自身にもまたわけ がわからないのである、 と続きます。 わけがわからなくても、 なにかを感じとったり 雰囲気をあじわったり することが、 読書の楽しみのひとつ なんですよね。
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自然と科学を知る賢治のファンタジー。優しく厳しく澄み渡ったおもしろさ。いつの間にかどっぶりはまり込んでいく。沼。
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※このレビューにはネタバレを含みます
海外で育ってしまった中学生の娘に日本語をもう少し知ってもらうために読ませたものです。また、新型コロナウイルスの影響で外出できず、少し時間ができたことから親として自身も読んでみました。表題作の『注文の多い料理店』は小学生の時に教科書に出たものを読んで以来ですが、大人になって読み返すと受ける印象が大分異なります。今回は特に宮沢賢治が描く自然との一体感や美しさに感銘を受けました。 以下、私がいいなあと思った順に所収されている作品について簡単に寸評させて頂きます。 『狼森と笊森、盗森』私にとって本書では最も印象的でした。開拓民の開拓生活が、彼らを取り囲む森々との会話をベースに描かれている。言葉の温かみと自然との一体感を感じる作品。 『山男の四月』ナイーヴで頭弱めな山男が中国人商人に騙されて六神丸という丸薬になってしまう。籠に収められた山男は他にも多くの仲間がそこにおり、元に戻る方法を聞くが。。。 『からすの北斗七星』からすの義勇艦隊たちの敵との対峙や対戦の様子を描く。フォーカスは軍人としての行為ではなく、からす(人間)として相手を殺すことへの罪悪感や平和への願い。日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦を経ていた当時の日本の状況がしのばれます。 『注文の多い料理店』都会の成金趣味の猟人の様子をシニカルに描く。小学生には不思議な昔話程度にしか思えないかもしれないが、大人が読めばその展開はちょっとしたホラー。またアンチ経済至上主義的な風合いも強い。 『月夜のでんしんばしら』電信柱は行軍の途中である。設定はごくシュールであるが、戦争の続く世情を背景にすると理解しやすい。軍隊という強面の側面と電気総長の優しさが対照的に表現されている。軍人も戦う人である前に人間である。 『鹿踊りのはじまり』嘉十が鹿のために残した団子と置き忘れた手ぬぐいを巡り、好奇心旺盛な鹿たちが東北弁でああでもないこうでもないと”不審物”(手ぬぐい)に対してちょっかいを出す。動物の様子をコミカルに描くほっこりとした作品。 『どんぐりと山ねこ』どんぐりの裁判を僅かな時間で解決してしまった一郎青年。実際には人からの評判を追い求めることに意味はないというメッセージであると解しました。 『かしわばやしの夜』森の木々の歌謡大会をコミカルに表現。繰り返しの多用によりリズム感のある作品となる。自然に手を入れざるを得ない人間として清作を描くが、個人的には自然からの搾取に罪の意識を宮沢賢治が感じていたように思えてしまう一作。 『水仙月の四日』架空の月である水仙月の四日に大雪を降らせる雪童子の仕事と、人間への子どもへのちょっとした思いやり。自然の厳しさと優しさが擬人的に描かれている。 ・・・ 改めて本作品は、先ずは大人に読むことをおすすめしたいと思います。童話ではありますが、100年近く前に書かれており、子供が素直に読むにはちょっと難しいと思いました。ただリズムが良いこともあり小学生の朗読や音読練習には良いかもしれません。やはり私としては、宮沢賢治の優しさや温かさ、自然への思いなどを味わうという意味で大人にこそ読んでほしいと思いました。
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以前読んだシートン動物記と同様に、たくさんの短い話で構成されています。一番好きだったのは、注文の多い料理店です。宮沢賢治の本には、幻想的場面が多いと思います。
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ふと、無性に「注文の多い料理店」が読みたくなったので購入。 子どもの頃に読んだときは「不思議で、怖い話だな」という感想だった。大人になって改めて読んでみても、怖さの度合いこそ違えど、その感想は変わらない。文章の構成やタイトルの付け方が、実に秀逸な作品だと思う。 その他に収録されて...
ふと、無性に「注文の多い料理店」が読みたくなったので購入。 子どもの頃に読んだときは「不思議で、怖い話だな」という感想だった。大人になって改めて読んでみても、怖さの度合いこそ違えど、その感想は変わらない。文章の構成やタイトルの付け方が、実に秀逸な作品だと思う。 その他に収録されている話に既読のものもあったが、忘れがちな部分が多かったこともあり、どれも楽しく読めた。昔は感性のままに読んでいたと思うが、今は「これはどういう意味なんだろう」と頭で考えて読んでいると思う。そうすると、奇抜な展開や描写が難解に思えるが、それを自分なりに読み解いてしていくのもまた楽しい。 風景の色彩、特にお日様の表現がとてもユニークですてきだなぁと思う。「ビールいろ」「赤と黄金でぶちぶちのやまなしのよう」などなど。読み返すたびに、まだまだ面白い発見ができそうだ。
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※このレビューにはネタバレを含みます
KiKi にとって宮沢賢治の作品っていうのは最初の出会いが国語の教科書(記憶は定かではないんだけど、たしか「注文の多い料理店」が載っていたように思う)で、その後学校図書館でいくつかの本を読み、この本にも収録されている「雨ニモマケズ」は小学校高学年だったか中学校低学年だったかははっきりしないんだけど、暗唱する課題が課されたことがあったように思います。 中学校低学年で暗唱することが課された詩に島崎藤村の「千曲川旅情の歌」があったので、多分「雨ニモマケズ」の方は小学生だったように思うんですけど、そのあたりの記憶はちょっと曖昧です。 当時の KiKi にとって賢治の言葉っていうのはかなり難しくて、それは彼が使っている方言に理由があったり、ちょっと古めかしい言葉であることに理由があったりもしたんだけど、要は彼の言葉で描写されているものの漠然とした雰囲気だけは伝わってくるものの、それが表現している事象そのものの輪郭がどこかぼやけている感じがして、言葉を読んでそこからクリアな映像が頭の中で描けるわけではない曖昧さ・・・・みたいなものに随分悩まされたものでした。 そういう意味では賢治の作品を「わかったつもりになっていた」年齢は中学校高学年ぐらい、ある意味で「感性」もまだまだ柔らかくてそれでいてどことはなしに「夢見がち」であることが許されていた年代だったように思います。 高校生になって大学受験だの進路だのという世界が身近になる頃にはどことなく・・・・ではあるんだけど「今は封印すべき作品を書いた作家」というイメージで捉えていたように思います。 再び賢治を手に取ったのは大学生の頃だったんだけど、その頃は彼の童話集を KiKi は「童話」というよりは「詩」として鑑賞していたように思うんですよね。 そもそも一つ一つの作品のタイトルからして何気に詩的だと思うんですよ。 どんぐりと山ねこ 狼森(おいのもり)と笊森(ざるもり)、盗森(ぬすともり) 注文の多い料理店 からすの北斗七星 水仙月の四日 山男の四月 かしわばやしの夜 月夜のでんしんばしら 鹿踊(ししおど)のはじまり 単に単語を並べて「と」とか「の」という接続詞で繋いだだけのように見えなくもないタイトルなんだけど、何か読む者に期待させるものがプンプンまとわりついているような感じがすると思うんですよね~。 そして物語の中で出てくる擬態語が素晴らしい!! これって音の洪水が溢れている都市部では絶対に出て来ない擬態語だと思うんですよ。 青空や夕焼け空の中を突き抜けるように響く鳥の声、すべての音を吸い込んでしまったような深い雪の中、枯葉の舞う音だけが響き渡る林の中、そんな環境に身をおいた時に初めて「そうそう、これしかない!!」と思わせるような擬態語ばかりだと感じます。 と同時に、これらの物語はひょっとしたら農耕民族だらけだった時代の日本へのある種のオマージュなのかもしれない・・・・・とも感じられるんですよね。 1つだけはっきりしていることは、社会人になってから東京のマンションで読んだこの短編集とここLothlórien_山小舎で読んだこの短編集とでは描かれている世界への共感度が大きく異なるということです。 今、このエントリーを書いている KiKi の目の前の窓には山のモミジの大木が風に揺られてさわさわとリズミカルな音を奏でているんだけど、こういう音をBGMにこの短編を読んだ時の方が東京のマンションで美しい夜景を眺めながらこの物語を読むよりもいっそう、かれの選んだ一つ一つの言葉の音・リズムに説得力のようなものを感じます。 相も変わらずどこかしら彼の描く事象は輪郭がぼや~っとしていたりはするんですけどね(苦笑)
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言わずと知れた宮沢賢治の代表作に区分されるのであろう注文の多い料理店を始めとした他多数の短篇で出来ている。 童話なのに、民話やホラーと言ったものの内容。しかしやっぱり読んでみると童話だ。
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私が中学1年生になってから、初めて読了した本です。 まだ当時の私には難しかったよう。今読んだらまた違うのかなーと思います。 色々な作品が入った短編集なのですが、「注文の多い料理店」と「どんぐりとやまねこ」が面白かったと当時の読書ノートに書いてあります。 今でも印象に残っている話で...
私が中学1年生になってから、初めて読了した本です。 まだ当時の私には難しかったよう。今読んだらまた違うのかなーと思います。 色々な作品が入った短編集なのですが、「注文の多い料理店」と「どんぐりとやまねこ」が面白かったと当時の読書ノートに書いてあります。 今でも印象に残っている話です。 また読み返してみようかな…
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宮沢賢治の代表作とも言えるタイトルの作品が 収録されている文庫本。 これを読むといつも不思議な感じに とらわれます。 何回も読み返していて本もボロボロになって きているのですが、何回読んでも読後感が 変化する興味深い童話です。 宮沢賢治と言う大作家の自然観、宗教観が 凝縮され...
宮沢賢治の代表作とも言えるタイトルの作品が 収録されている文庫本。 これを読むといつも不思議な感じに とらわれます。 何回も読み返していて本もボロボロになって きているのですが、何回読んでも読後感が 変化する興味深い童話です。 宮沢賢治と言う大作家の自然観、宗教観が 凝縮されている本ですし、彼の優しさと言うものを 感じさせてくれる珠玉の一冊だと思ってます
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