舟越桂 夏の邸宅 の商品レビュー
おぞましくも、あたたかい不思議な作品集だった。人物たちは皆足は無く、両性具有の者であったり、異形の者であったり、天空の住人らしき風貌であったりする。顔は大半無表情であるがどこか優しげで、見ているこちらの心が澄んでいくのがわかる。木の温もりを最大限にひき出したような秀逸な彫刻の数々...
おぞましくも、あたたかい不思議な作品集だった。人物たちは皆足は無く、両性具有の者であったり、異形の者であったり、天空の住人らしき風貌であったりする。顔は大半無表情であるがどこか優しげで、見ているこちらの心が澄んでいくのがわかる。木の温もりを最大限にひき出したような秀逸な彫刻の数々に感動した。
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これは、東京都庭園美術館で開催された 舟越桂氏の作品展を書籍化したものです。 舟越氏の作品は、彫刻自体に存在感があります。 この庭園美術館の空間に置かれることによって、その存在感を 打ち消すことなく、また別の魅力を感じさせてくれるところがなんとも不思議です。 彫刻...
これは、東京都庭園美術館で開催された 舟越桂氏の作品展を書籍化したものです。 舟越氏の作品は、彫刻自体に存在感があります。 この庭園美術館の空間に置かれることによって、その存在感を 打ち消すことなく、また別の魅力を感じさせてくれるところがなんとも不思議です。 彫刻が、いつもよりも雄弁に語りかけてくる、といった感じとでもいいましょうか。 また、今井智己氏に写真の捉え方が、この彫刻の表情を さらに深く、生々しく伝えてくれます。 アート系の図録や作品集って、装丁がけっこう雑なものが多いんですね。 無駄に凝りすぎていたり、あきらかに手抜きなものであったり。 そんな中、この「夏の邸宅」は、表紙の質感からフォントの選び、サイズ感、 どれをとっても、無駄がない。 すぐれた素材を完璧に活かした装丁だと感じました。 求龍堂は、毎度、素晴らしい本を出してくれますね。 ちなみに舟越氏の作品を使用した装丁には 「永遠の仔」という小説があります。 あーー見たことあるーという人も多いんではないでしょうか? 「永遠の仔」も内容に劣らず、良い装丁でしたね。
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