義姉体験 の商品レビュー
2人だけで営まれる背徳の密戯
おフランスの「黒本」ばかり読んでいると逆に新鮮味を覚える主人公とヒロイン2人だけの濃密な物語である。主人公の実兄でもあるヒロインの夫も一応登場するが、背徳感を演出する位置付けで、ヒロインとの直接的なカラミ描写はない。あくまでも兄(夫)を裏切ることへの罪悪感の中で、それでも抗えない...
おフランスの「黒本」ばかり読んでいると逆に新鮮味を覚える主人公とヒロイン2人だけの濃密な物語である。主人公の実兄でもあるヒロインの夫も一応登場するが、背徳感を演出する位置付けで、ヒロインとの直接的なカラミ描写はない。あくまでも兄(夫)を裏切ることへの罪悪感の中で、それでも抗えない愛欲に溺れてしまうストーリーである。他に相手がいないので、都合4度の情交シーンはどれもじっくりねっとり丁寧な描写で頁を費やしている。また、最初は夫に操を立てて拒むヒロインが、仕事優先で海外出張ばかりの夫に半ば愛想を尽かすように想いが決壊、ついに陥落する1度目、最後の一線を越えたことでタガが外れ、むしろ積極的に振る舞い始める2度目と、回を重ねる度にヒロインの心境の変化が描かれている。一貫して義姉に強い愛情を抱く主人公も自信と確信を深め、3度目ではさほどハードではないものの拘束具を用いてお尻を責めたり、海外出張から帰ってきて自宅で酔い潰れた兄(夫)のすぐ横で情交に及んだりする。一時は疎遠になりかけた夫婦仲も改善されながら、主人公にも今後の夫不在時の相手をおねだりする結末には、主人公に対するヒロインの、夫と同等の愛情を感じさせながら、甘え上手な小悪魔的可愛らしさや浮気継続のしたたかさも同時に、しかも無意識的に垣間見せており、ヒロインの方が役者が一枚上のような気がする。さほど起伏のある展開でもなく、大きなドラマもないが、無邪気さと妖艶さを兼ね備えた魅力的な兄嫁と、一途に想いを募らせる義弟の織り成す心と体の交わりがなかなか良い雰囲気を醸し出している作品である。
DSK
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