日本遠征記(1) の商品レビュー
漸く飛ばし読みながらも『ペルリ提督日本遠征記(1~4)』を読み終えた。今週はいろいろ立て込んでいてゆっくり読書をする時間をなかなか作れなかったのではあるが、中身が気になってつい夜更かしをしながら読了した次第。 この本には、当時のアメリカがこの地域と、どのように関係を取り結ぼう...
漸く飛ばし読みながらも『ペルリ提督日本遠征記(1~4)』を読み終えた。今週はいろいろ立て込んでいてゆっくり読書をする時間をなかなか作れなかったのではあるが、中身が気になってつい夜更かしをしながら読了した次第。 この本には、当時のアメリカがこの地域と、どのように関係を取り結ぼうとしていたのかを窺い知ることができる。そしてこのとき、琉球とも「琉米修好条約」を締結してもいる。当時から、アメリカはこの地域に重大な関心を持っていたことが理解できるであろう。 本土復帰以来、特に民主党政権以降、沖縄をめぐる問題が様々報じられているが、主に沖縄と(明治以降、特に1940年前後からの)日本政府とをめぐる歴史を中心に語られているが、バックグラウンドを理解するには、やはりもう少し古くからの交流史を理解しておいたほうが良いように思う。特に、もともとは周辺国と「重属」することで独立を維持してきた若干特異な歴史的な経緯を持っている地域を領土に包摂しているということに、もう少し深く理解しておくことで、無用な『中央政府vs地方政府』の争いを回避できた筈なのだ。 そういうことを、一見関係の無いアメリカ海軍の遠征記からも読み取れる。歴史は相互に作用した結果であって、哲学でもなんでもない。しかし、それを読み解いていく中から生まれてくる思想的骨格は、哲学そのものだ、と思う。
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