世界の歴史(12) の商品レビュー
図書館で借りた。 世界の歴史シリーズ12巻目は、中国と朝鮮の近世史。モンゴルの支配から脱して漢民族国家を樹立してから、一部の話題は19世紀までも網羅する。本シリーズ半分も行っていないがもはや近代に届くのがびっくり。 清は北方民族である満州人による支配だが、政治体制が明の形式をほぼ...
図書館で借りた。 世界の歴史シリーズ12巻目は、中国と朝鮮の近世史。モンゴルの支配から脱して漢民族国家を樹立してから、一部の話題は19世紀までも網羅する。本シリーズ半分も行っていないがもはや近代に届くのがびっくり。 清は北方民族である満州人による支配だが、政治体制が明の形式をほぼ受け継いでいることから、明清とセットで説明するのが分かりやすいようだ。受験世界史でも似た話をどこかで聞いた気がする(私の高校時代は世界史未履修だが) 秀吉の朝鮮出兵については、朝鮮側からの言及だ。(この本・シリーズに日本史を求めていないが、)日本史的観点はほとんど無い。そういう意味では新たな観点をみつけてくれる。 さらには北方情勢・ウイグル情勢・チベット情勢 ひとまず12巻まで読んだ。次々と進みたい…。
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伝統的な専制王朝が最終段階を迎えた大帝国、明・清。そして、朝鮮独特の両班官僚制が成立した李朝の実相を、日本など東アジア諸国との多様な関わりのなかで描く。「家」を主体にした近世の社会は、西洋との軋轢の中、徐々にきしみ始める。
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特に朝鮮半島の歴史が、呼称の煩雑さと相まって、一筋縄にいかない。しかし、朝鮮半島に矮小化せず、明から清代にかけての中国との歴史と併せて、モザイクのように書かれているので、とりあえずは大局を壮観すべきだろう。大きな歴史の流れの根本にある「家」について最後に言及。漢人の側からみて清朝...
特に朝鮮半島の歴史が、呼称の煩雑さと相まって、一筋縄にいかない。しかし、朝鮮半島に矮小化せず、明から清代にかけての中国との歴史と併せて、モザイクのように書かれているので、とりあえずは大局を壮観すべきだろう。大きな歴史の流れの根本にある「家」について最後に言及。漢人の側からみて清朝は夷狄だとか、朝鮮半島の歴史は後進国の他愛ない歴史だからざっと書くというような偏重や我田引水は弱く、ニュートラルな立場に立とうとしながらも、著者の顔がみえる良書。中国では胥吏(しょり)が「職務を私物化」する(p92)など、統治の末端に曖昧さが許容されることでうまくいっている(※領土が広大なため)のに対し、朝鮮半島では多くの複雑な闘争を経て、両班形成などにともなって稠密な中央集権体制が形成。また、明朝が倭寇や女真族などによって外苑から瓦解していくというみかたがダイナミック。大陸では、特に定住者たちは常に周辺とのバランス感覚が重要だった。共通する「科挙」は、平等性より、むしろ梯子のような皇帝権力(P370)のための制度か。
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明清時代の中国史と、李朝時代の朝鮮史を章ごとに交互に扱った本。単なる通史にとどまらず、社会史・経済史、時には日中・日朝関係まで踏み込んだ叙述がなされている。 両者のページ配分はほぼ同じなので、朝鮮史の量はかなり多い事になり、中国史だけに期待して買うとやや辛い部分があるかもしれな...
明清時代の中国史と、李朝時代の朝鮮史を章ごとに交互に扱った本。単なる通史にとどまらず、社会史・経済史、時には日中・日朝関係まで踏み込んだ叙述がなされている。 両者のページ配分はほぼ同じなので、朝鮮史の量はかなり多い事になり、中国史だけに期待して買うとやや辛い部分があるかもしれない。よって朝鮮史への関心があるかどうかで、この本の評価は大きく変わってくる。 しかし、社会風俗や両班が作り出した朝鮮社会は、関心があればそれなりに面白い。文禄・慶長の役の朝鮮側の史料が見れるのもメリット。
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