自負と偏見のイギリス文化 の商品レビュー
期待していた内容と少々異なったが、オースティンが生きた時代の雰囲気を知ることによって作品の理解が深まった。階級意識とか男女交際における女性の地位とかこの時代ならではの考え方は面白かった。 ただ相当読みにくいね。文章にも編集にも改善の余地大。
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ヴィクトリア朝時代とは対照的な「摂政時代」(リージェンシー)の作家として、ジェイン・オースティンの生涯と作品を解説している本です。 作品の開かれた解釈を示すのではなく、むしろ時代背景のもとで作家と作品を解釈するというアプローチがとられており、オーソドックスな入門書という印象を受...
ヴィクトリア朝時代とは対照的な「摂政時代」(リージェンシー)の作家として、ジェイン・オースティンの生涯と作品を解説している本です。 作品の開かれた解釈を示すのではなく、むしろ時代背景のもとで作家と作品を解釈するというアプローチがとられており、オーソドックスな入門書という印象を受けました。
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時代を理解することで、随分作品への理解も深まるものだと痛感した。 オースティンをめぐって、親族その他の「検閲」が働き、現在の「お上品なオースティン」像が出来上がったことは、さもありなん、と納得。 イギリス文化の階級意識の複雑さ(単に財産の多寡や社会的地位の上下によらず、一種の「能...
時代を理解することで、随分作品への理解も深まるものだと痛感した。 オースティンをめぐって、親族その他の「検閲」が働き、現在の「お上品なオースティン」像が出来上がったことは、さもありなん、と納得。 イギリス文化の階級意識の複雑さ(単に財産の多寡や社会的地位の上下によらず、一種の「能力主義」で判断される由)も、理解できた。もっとも、その辺りは同じ新井さんの『階級にとりつかれた人々』(中公新書)の方が詳しいのかもしれない。 藤井省三さんの『魯迅--東アジアを生きる文学』ほどではないけれど、受容の問題を扱うのがこの頃の常道のようだ。 ジェイナイトが男性というのは・・・私は樋口一葉の周りに男性が群がり、死後はその偶像化が進んだという事情と似ているような気がする。 最後に・・・帯には「そのユーモア感覚、・・・を探る」とあるけれど、本書からはユーモア感覚については残念ながらよく分からなかった。
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オースティンの作品に込められた笑いの要素。 ヴィクトリア女王の前のリージェンシー的な世界を含んだ作品。 感受性(sensibility)への痛烈なパロディ。 ヒロインらしくないヒロイン。 作品のリアリティへの執念。
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※このレビューにはネタバレを含みます
[ 内容 ] イギリスではオースティンの作品は出版されて以来、その人気が衰えたことはない。 一九八〇年代からは、その作品が次々に映像化されるとともに、続編や翻案も書かれ、空前の「オースティン・ブーム」が続いている。 イギリス人はなぜオースティンが好きなのか。主要作品を手がかりにイギリス人のユーモア感覚、階級意識、恋愛観を探る。 [ 目次 ] 第1章 オースティンは「お上品」ではない―奢侈と堕落の時代の文学(奢侈と堕落の摂政時代(一八一一~一八二〇) どぎついユーモア) 第2章 パロディから始まる恋愛小説―分別と多感のヒロインたち(同時代の小説の非現実性を笑う ヒーローもヒロインも笑いの対象 「現実的」なヒロイン) 第3章 恋愛と結婚―女性の死活問題(夫を得るための大作戦 独身女性の運命) 第4章 アッパー・ミドル・クラスのこだわり(小説に「現実」を反映させる 階級をめぐるスノビズム) 第5章 オースティンと現代―空前のブームの背景(オースティンの新たな世界 オースティンの「続編」と「翻案」) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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オースティン入門書。高慢と偏見、エマしか知らなかったから、著者の他作品に触れる良い機会が増えました。
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オースティン作品を読んだので、続けて作家論を読んでみました。 なんと、『ブリジット・ジョーンズの日記』は、『自負と偏見』の現代版で、続編の『きれそうな私の12ヶ月』の方は、『説得』の現代版なんだそうです。 観ずじまいだったこともあり、知りませんでした。 イギリス本国では絶大な人...
オースティン作品を読んだので、続けて作家論を読んでみました。 なんと、『ブリジット・ジョーンズの日記』は、『自負と偏見』の現代版で、続編の『きれそうな私の12ヶ月』の方は、『説得』の現代版なんだそうです。 観ずじまいだったこともあり、知りませんでした。 イギリス本国では絶大な人気を誇るというオースティン。 痛烈さを含んでいながらも、明るいてんやわんや劇で最後は大団円というところが、読む人々を安心させるのかもしれません。 似たようなシチュエーションの作品ばかり残しているという印象がありましたが、それは、彼女が自分が知っていること以外は書かないというポリシーがあったからだそうです。 だからこそ、書かれてある事柄は皆現実に裏づけされた、真実味のあることばかりで、そこに人々は引かれるのでしょう。 オースティン作品は、どこか『渡る世間は鬼ばかり』に似ているように思えます。 時代が違うので、表現の制限も異なりますが、キャラクター設定がリアルで、毒も少々混ざっていながらも、愛情に包まれたカラッとした作品で、国民に人気があるというところが、共通しています。 一冊作品を読み、それからこの新書を読んだだけでは、まだオースティンを語ることはできないとは思いますが。 『ブリジット・ジョーンズの日記』、機会があったら観てみようと思います。
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ジェイン・オースティンはGRでしか読んだことがないのだが、この本でほとんどの小説のあらすじを知ってしまった。。。 恋愛と結婚と生活が人生なのか。 身近な生活を書くことが普遍的なものを表現することに繋がるのか。 階級の差ではなく価値観の差をお互いに認め合って共存できれば、理想なのか...
ジェイン・オースティンはGRでしか読んだことがないのだが、この本でほとんどの小説のあらすじを知ってしまった。。。 恋愛と結婚と生活が人生なのか。 身近な生活を書くことが普遍的なものを表現することに繋がるのか。 階級の差ではなく価値観の差をお互いに認め合って共存できれば、理想なのかも。 多様性を認めて。
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オースティンの作品の背景がいろいろわかってためになった。「階級」ってものがすごくモノをいうことや、暮らしていくための結婚、独特のユーモア感覚。ただどうもわたしはこういう論文っぽいもの、新書の類を読むのが苦手のようで。一度読んでもすっと頭に入ってこない感じで、またじっくり読み直した...
オースティンの作品の背景がいろいろわかってためになった。「階級」ってものがすごくモノをいうことや、暮らしていくための結婚、独特のユーモア感覚。ただどうもわたしはこういう論文っぽいもの、新書の類を読むのが苦手のようで。一度読んでもすっと頭に入ってこない感じで、またじっくり読み直したいな、と。自分の姿を笑う余裕があるという「プライド」、馬鹿げていると自分が思ったら容赦なく笑う「偏見」が、オースティンの笑いであり、イギリス文化だ、っていうのにはけっこう感激。好きだな、そういう感覚。
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オースティンの入門書ですかね。 オースティン作品のあらすじが載っているので、未読の方でも楽しめるとは思いますが、やはり作品自体に触れた方がより良いのでは。 本書は面白い部分もあるのですが、話が色々飛ぶような気がしないでもないです。もっとそこkwskとか、痒い所に手が届かない的な。...
オースティンの入門書ですかね。 オースティン作品のあらすじが載っているので、未読の方でも楽しめるとは思いますが、やはり作品自体に触れた方がより良いのでは。 本書は面白い部分もあるのですが、話が色々飛ぶような気がしないでもないです。もっとそこkwskとか、痒い所に手が届かない的な。 2008.9.19 初版/2009.7.28 購入/2009.9.18 読了
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