M&Aにおけるプライシングの実務 の商品レビュー

アビームM&Aコンサルティング【編】

2009/11/23

著者は、アビームＭ＆Ａコンサルティングの方々である。
Ｍ＆Ａにおいて最も気になる所は”如何に企業を評価するのか”この一点に尽きるわけだが、
もう少し深掘りしていくと、もちろんそれだけに注力するわけではない。
上記の点に関しては、Ｍｃｋが良書を執筆しているが、その周辺に関してはアビームも
良書を出していて、その中の一冊って感じ。

内容は、先日批評を行った新書をさらに詳細に説明した形となっている。
そうした説明の中でも、上場と非上場という形で章を分け、詳細に説明している点は、
良かったといえる。まぁ、基本的に上場企業を買収する場合、法律でＴＯＢをする事が
定められているので、当たり前って言えばそうなんだが、それ以外にも異なる部分も
ある。

そして、要所に科学的な根拠説明だけでなく、ある程度主観的・経験則的な
説明が記載されているのも、意外と役に立つと思う。

例えば、
「幻想を抱かない（買収後に思いもよらなかったシナジーを発見）」
「バイヤー（主に大手）として、上から目線で望まない」
等である。

まぁ、買収される側からすれば、死活問題ともなるＭ＆Ａであるがゆえに、
買い手は気をつけなければならない点は、意外と多くあるのだろう。

そして、Ｍ＆Ａにおいて買い手は、

１．買収対象会社の化粧を落としスタンドアローンバリューを正確に出す
２．シナジー効果を出来るだけ正確に定量化する

以上の３点が最も基本的で大切な点であると言える。

以上

2009/10/04

普通のValuetion本とは異なり、整理の方針が公開企業／未公開企業という本。
まさに未公開企業の評価をするときにはもってこい。が、実務レベルでの検討ではなかったり、あくまで方法論の説明に徹しているので、ちょっと物足りない部分もある。

ただ、他に未公開企業評価の本があまりないので、結果的にバイブル化している感も否めない。