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わたしは花火師です の商品レビュー

3.8

8件のお客様レビュー

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2022/04/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「繰り返しますが、わたしは花火師なのです。わたしは自分の書物が地雷であり、爆発物の包みであると考えています……。そうであってほしいのです。」p.21

Posted byブクログ

2017/05/02

フーコーの小論文やエッセー、インタビュー、講演などをあつめた「思考集成」からもれた重要なインタビュー、講演を集めて翻訳したもの。 なんだけど、全然、残り物という感じはなく、タイトルになったインタビューを始め、フーコーの問題意識のありようがストレートに伝わってくる。 そうか...

フーコーの小論文やエッセー、インタビュー、講演などをあつめた「思考集成」からもれた重要なインタビュー、講演を集めて翻訳したもの。 なんだけど、全然、残り物という感じはなく、タイトルになったインタビューを始め、フーコーの問題意識のありようがストレートに伝わってくる。 そうか、フーコーは、歴史家でもなく、哲学者でもなく、花火師だったんだー。 文章の流れからは、花火師というより、軍事的な爆薬技術者というニュアンスのほうが強いが、要するに現在の社会を揺るがすためにそれを構築しているもののを弱い部分を見つけ、そこに爆薬をしかけて、花火のように美しく爆破する人、という感じ。 自分のやっているのは歴史学とか科学ではないので、証拠を求めることはできない。という割切りもスゴい。 このインタビューは、ほんとに分かりやすいというか、ストレートで、面白いな。あまりにもストレートすぎるので、「思考集成」から外されたんだろうか、と思うほど。 残りの講演記録も、とても勢いのあるもので、70年代のフーコーの充実を改めて、実感する。

Posted byブクログ

2013/12/04

フーコーの視点はつねに物事の根源にむけられ歴史の起源からその系譜に向かう。 そもそもそれはなんであってなんでそうなのか… 本当のラディカル・シンキングである。 それが思考の唯一の方法であり、フーコーはその徹底から手を抜くことはなかった。 それは未決定性や不可能性を敢えて指向し、突...

フーコーの視点はつねに物事の根源にむけられ歴史の起源からその系譜に向かう。 そもそもそれはなんであってなんでそうなのか… 本当のラディカル・シンキングである。 それが思考の唯一の方法であり、フーコーはその徹底から手を抜くことはなかった。 それは未決定性や不可能性を敢えて指向し、突き当たる「権力」に対峙し続けたのである。

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2013/12/04

「自分」などというものは実はキリスト教的な告解の習慣などからつくりだされた権力との関係なのではないか、狂気(精神異常者)はつくりだされた、医療などは個人をミクロのレベルで統制するような国家(権力)装置でもあるのではないか…など、従来の常識では疑問さえ抱かないような物事を転覆するフ...

「自分」などというものは実はキリスト教的な告解の習慣などからつくりだされた権力との関係なのではないか、狂気(精神異常者)はつくりだされた、医療などは個人をミクロのレベルで統制するような国家(権力)装置でもあるのではないか…など、従来の常識では疑問さえ抱かないような物事を転覆するフーコーの斬新な思想が、インタビューをとおして平易に語られる。 とりわけ、自身の性的な側面、おそらく圧倒的なモチベーションにもなっていたであろうことに短く言及されている。それは彼がゲイであったという側面であり、そのことで「社会的な影の部分に」属しているのではないかという衝撃が、一生を通じて彼の原動力になっていたはずだと想像する方がおもしろい。

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2012/03/31

大してフーコーの著作も読まずにいきなり自伝的著書を読んでしまったが、フーコーが何に影響を受け、どのような信念を抱いているのかを浅くながらも知ることは、今後フーコーを読む際に、より印象的にフーコーを感じることに繋がるのだろう。そういう意味で、本書のようなものを最初に読むことは戦略的...

大してフーコーの著作も読まずにいきなり自伝的著書を読んでしまったが、フーコーが何に影響を受け、どのような信念を抱いているのかを浅くながらも知ることは、今後フーコーを読む際に、より印象的にフーコーを感じることに繋がるのだろう。そういう意味で、本書のようなものを最初に読むことは戦略的にそこまで悪くない。そこまで量も多くないので読みやすいというのもあるしね。

Posted byブクログ

2012/01/08

主に二つの主題から構成されている。 前半はそれまでのフーコーの研究の総括のようなインタビュ=形式。 もう一つは、”医療化の歴史”、”近代技術への病院の統合”という 近代医療、福祉の歴史に関するものである。 前半部分は、研究の成果に関するものなので フーコーの著作を読み込んでいない...

主に二つの主題から構成されている。 前半はそれまでのフーコーの研究の総括のようなインタビュ=形式。 もう一つは、”医療化の歴史”、”近代技術への病院の統合”という 近代医療、福祉の歴史に関するものである。 前半部分は、研究の成果に関するものなので フーコーの著作を読み込んでいないとついていけないと思う。 後半は分かりやすいが、知れば知るほど、 私たちの暮らしが権力者たちにより形成されていったのかを まざまざと見せつけられるようで、考え込んでしまった。 福祉、医療がどういった経緯を辿って今に至るのか。 これはみんな知っておいた方が良いのではないかと思う。

Posted byブクログ

2009/10/04

ハマる人のいるのがわかる気がする。言ってることは至極まともだし。 自分の書いた物と自分の歴史を切り離そうとしたい、という気持ちは凄くよくわかる。哲学はバイオグラフィーで語るな、と。ついつい語りたくなる経験が多いのもまた哲学者なのだけれど、そこには反抗したいと自分も思った。 日本語...

ハマる人のいるのがわかる気がする。言ってることは至極まともだし。 自分の書いた物と自分の歴史を切り離そうとしたい、という気持ちは凄くよくわかる。哲学はバイオグラフィーで語るな、と。ついつい語りたくなる経験が多いのもまた哲学者なのだけれど、そこには反抗したいと自分も思った。 日本語訳がこれでいいのかは私には判断付かない。ディスクール?なんやっけ?みたいな。 個人的には訳せない語を、もしくは訳すと誤解を招くような言葉をそれでも敢えて訳して欲しいかな。

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2009/10/07

先生、全体的によく分かりません! 『自己のテクノロジー』も読んだけど、著書よりも講義録の方が圧倒的に分かりにくい。

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