死体は語る 現場は語る の商品レビュー
少し古い本という事もあるが、対談形式で語る上野正彦氏や大谷昭宏氏のバイアスも古い。少年犯罪が増えているとか、女性は刑事に向かないとか、外国人の犯罪は特徴があるとか。ある程度、傾向はあるし、あるいは、この二人の観察医やジャーナリストという職業は断片的な情報から推断を求められるため、...
少し古い本という事もあるが、対談形式で語る上野正彦氏や大谷昭宏氏のバイアスも古い。少年犯罪が増えているとか、女性は刑事に向かないとか、外国人の犯罪は特徴があるとか。ある程度、傾向はあるし、あるいは、この二人の観察医やジャーナリストという職業は断片的な情報から推断を求められるため、こうした性格特性が出るのだろうか。戦前の方が少年犯罪は多く、確かに女性はトイレなどの事情で張り込みには向かないかも知れないが同性から話を聞きやすい。外国人の犯罪は、言葉や逃亡、目立ち方という点でも確かに傾向は出そうだが。 さて、死体は何を語るのか。例えば、青酸で亡くなった死体は、胃袋が焼けて真っ赤にただれている。開腹したら青酸ガスが出て、解剖している人は頭が痛くなる事がある。また、死体は苦しさから体を掻きむしった後が残っている場合がある。 裸の死体だけ見ていても、真相はわからないが着衣を見せてもらえば、パンツの失禁後から前の方なら首吊り自殺、後ろなら扼殺、というある程度の判断も可能。衣服の乱れ方でも推測ができそうだ。 確かにこれはあり得るなと思ったのが、捜査力の地域格差。目撃者やカメラの数、協力姿勢、担当者の捜査力そのものにも差が出るだろうし、死体の監察医、検死、そこまで死体を送る時間等を考えたときに、地域格差が出てしまう。それは人を殺すならあそこでやれ、と言うことを誘発しかねない。データ主義が進めば、そこまで考え抜かれた犯罪も起こり得るだろうか。逆に自衛にも役立てられそうだが。
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とある高評価の書評を見て手に取ってみたのだが、確かに興味深い内容ではあるのだが、引き込まれるモノは無かったかなぁ。
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おおむね面白く読めたが、昔は良かった〜という懐古的感傷を資料なしでいきなりぶっこんでくるのはこの年代にありがちなこととはいえ、どうにかならないかなと思った
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この作品が出て、10年以上たち、流石にボクサー体型や銃で頭を撃つ時の角度などは一般の我々でも知るところとなった。そのぶん、上野氏の功績は大きいと思う、一方で今時の人間の殺人心理が理解できないと嘆いていたり、ステレオタイプな物の見方が多くて、昔の人、という印象が強く残るのが残念。
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