もったいない 完全保存版 の商品レビュー
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もったいない[完全保存版] 編集:プラネット・リンク 発行:2008年9月10日 マガジンハウス文庫 *プラネット・リンク=文:吉野信吾(企画・構成も)、小野寺慎一郎、対訳:佐藤治子、絵:江口修平 初出:「もったいない」(2005年6月マガジンハウス刊)、「私の、もったいない」(2006年2月マガジンハウス刊) 山荘にうっかり本を持ってくるのを忘れ、大晦日に小説を読み切って、今日、元日に手持ち無沙汰になってしまった。山荘を探すと、辛うじて見つかったのがこの本。どうしてこの本を買ったのか、さっぱり心当たりがないが、読み始めると内容にも心当たりがないので読み切った。2008年はマガジンハウス社が文庫界に進出した年のようで、帯に「マガジンハウス、文庫デビュー。」のコピーがある。 前半の「もったいない」はプロが書いた文章、イラスト、英訳。最初に、数行程度の短文があり、イラストと英訳。次に、それを詳しく説明するような文章がある。といっても2ページ程度。「もったいない」に関するテーマで書かれたものばかりであるが、それを語るに不可欠な環境問題や飢えの問題も取り扱っている。もちろん、3Rや4Rも。今なら、SDGsということになる。 この著作が初出した2005年や2006年から15年以上たつが、果たして進歩しているのだろうか。この本の34ページに、日本における1年間の食品ロスは約2200万トンとある。同じ農林水産省及び環境省の資料で最新のものを検索すると、522万トンとなっていた(2018年)。4分の1になっているようだけど、この本の発刊を含め、啓発活動が功を奏しているようだ。 79ページには、発展途上国の子供たちに最低限の生活を保障するためのお金は、年間約800億ドル、一方、世界中の政府が使う軍事費はその16倍とある。きっと、いまなら軍事費はぐっと増え、これからも当面は増え続けるのだろう。こちらは、後退、人類の頭の退化が分かる。 後半の「私の、もったいない」は、マガジンハウスと毎日新聞社が共同企画した作品募集で、入選した作品や、応募作費の一部を掲載している。56作品だが、年代別に分けて掲載。10代から、最高齢は70代の作品。新聞などでよく見かけるこうした素人の投稿は、正直、つまらないものが多い。そんなことぐらいとうの昔からしているよ、と思えるものが多いし、投稿している本人は自分が考え、工夫した自慢の方法だと思って自信満々に語っているケースが多い。 しかし、回転寿司を食べていると、がさっという音がして古くなった寿司が処分される、とか、コンビニで働いていると賞味期限3時間前になると全部捨てなければいけない、というリアルな描写を見るとやはりショックを受ける。 ただし、これは以前からの僕の持論だが、この本でも、レジ袋が環境問題の一番の標的にされているのが非常に気になる。手っ取り早く批判できる相手として選ばれやすいのだろうけど、レジ袋をもらって捨ててしまうもったいなさを嘆くなら、もらわなければいいし、使い方を考えればいい。僕は、レジ袋はそのまま捨てたことなど一度もない。食料品保存や濡れもの入れ、最終的にはゴミ袋に使っていた。とても有効利用していたのだ。コンビニでもらっていた小さなレジ袋は、週に3回以上通うジムで絞れるほど汗がしみたシャツを入れて帰った。あんなものは、何度も使える袋に入れたら臭くて仕方ない。コンビニ袋がもらえなくなったら、同じようなビニール袋を買うしかないのだ。これこそ、無駄もいいところ。 とはいえ、ワンガリー・マータイ氏の提言は日本中に素晴らしい響きとともに効果をもたらしたと思う。ただ、それをIOC会長のバッハと東京都知事の小池が大きな声で叫び、開催された東京2020のお陰で、すっかり色あせてしまった一面も見逃せないが。
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前半部分では日本がものを大切にしていた歴史を現代との対比から説明し、後半は「私のもったいない」受賞作品を紹介している本。 江戸は世界的に見ても清潔な都市だったと言われるが、「単に綺麗好き」というだけではなく、「リユース文化」がそうさせていたという視点はなかった。 他にも放置自転...
前半部分では日本がものを大切にしていた歴史を現代との対比から説明し、後半は「私のもったいない」受賞作品を紹介している本。 江戸は世界的に見ても清潔な都市だったと言われるが、「単に綺麗好き」というだけではなく、「リユース文化」がそうさせていたという視点はなかった。 他にも放置自転車は東南アジアに送られてるなど、細かい雑学を得ることができた。
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ワンガリ・マータイさんが唱える「もったいない」という言葉の素晴しさ。 「もったいない」という言葉は、環境保護運動の合言葉「3R(リデュース、リユース、リサイクル)」をたった一言で表現できる。 また、4つ目のRとしてリスペクトの意味も持つ。 日本人にとっては当たり前に使っている...
ワンガリ・マータイさんが唱える「もったいない」という言葉の素晴しさ。 「もったいない」という言葉は、環境保護運動の合言葉「3R(リデュース、リユース、リサイクル)」をたった一言で表現できる。 また、4つ目のRとしてリスペクトの意味も持つ。 日本人にとっては当たり前に使っている言葉でも、外国の方には驚くべき言葉のようです。 その驚きの理由を知ることで、僕たち日本人も改めて「もったいない」の意味を、素晴しさを知るのです。 そんな素晴しい言葉を生み出した僕たち日本人は、言葉として持つだけでなく、もったいないの心を持ち、行動していかなければならないのです。 と、思いました。
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