美人女医・挑発診察室 の商品レビュー
誘惑系に転向した凌辱作家が得意とするは挑発系?
本作より鳴海作品は誘惑路線へと転向していくが、その基本パターンは既に出来ていたようである。サブタイトルに見られる『挑発』の言葉が象徴するように、少年を虜にする聖職者が、女王様然と振る舞うに至る淫靡な堕落物語と言えよう。この後も女教師・ナース・人妻(兄嫁)と、職業(属性?)を変えて...
本作より鳴海作品は誘惑路線へと転向していくが、その基本パターンは既に出来ていたようである。サブタイトルに見られる『挑発』の言葉が象徴するように、少年を虜にする聖職者が、女王様然と振る舞うに至る淫靡な堕落物語と言えよう。この後も女教師・ナース・人妻(兄嫁)と、職業(属性?)を変えて作を重ねるが、内に潜んでいた、あるいは秘めていた淫らな願望を満たすために初心な少年を篭絡する作風となっている。 しかし、その初回たる本作ではまだ小手調べの感が若干否めず、全体の構成として少々纏まりに欠ける印象も残す。実は歯科医というアイデアは実に良かったし、様々なタイプの少年達を揃えたのも悪くはないが、さすがに3人は多過ぎる気もする。とりわけ最もメインの主人公らしい登場の仕方だった「第1の少年」が中盤以降で活かし切れず、第2、第3と続いていく中で存在感を持たせられなかったのは勿体ないところ。むしろ、女王様モードへの加速も相まって、第2、第3の少年達の方が書いてて面白くなってきたのでこちらに軸を移したのかもしれない。 あと、エリートなヒロインの淫らな変貌を核にしているため、ストーリー展開の起伏はあまり見られない。どんどんエスカレートしていくヒロインの高飛車な女王様っぷりを堪能し、エリートな人はやっぱり上から目線な振る舞いに落ち着くんだな~などといった感想を得るには申し分ないだろうが、正直なところオチとしては弱いと言わざるを得ない。 次作以降では改善されており、作を重ねるごとに退廃的な深みも増しているので、本作はやはりコツを掴むための作品だったのかもしれない。
DSK
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