日本の喜劇人 の商品レビュー
各時代を代表する芸人…
各時代を代表する芸人たちに対して、決して批判的な態度を取ったりせずに淡々と分析を行っている。情報があいまいな場合、わざわざ断ってまで言及しなかったりするのだ。絶対にいいかげんな推測でものを言わない点がとても潔く、信用して読めるのだ。だから内容を充実させるのに、並大抵の取材、体験が...
各時代を代表する芸人たちに対して、決して批判的な態度を取ったりせずに淡々と分析を行っている。情報があいまいな場合、わざわざ断ってまで言及しなかったりするのだ。絶対にいいかげんな推測でものを言わない点がとても潔く、信用して読めるのだ。だから内容を充実させるのに、並大抵の取材、体験がないとここまでの時代を跨いだ史実を展開できないわけで、貴重なドキュメントにもなっている。同時代を生きた読者も、そうでない読者も昭和の喜劇人を追体験できる。とてつもない記憶力の近所のおじさんか
文庫OFF
エノケンやロッパをはじめ、往年の錚々たる顔ぶれが登場する。いずれも、芸に対して命を張っているのが読み取れる。
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解説の色川武大が言うように、日本の喜劇に関しては、もうこれ以上の本は出ないだろう。残念なのは82年刊行なので、今となれば以降の激動の時代がないこと。それにしても小林信彦の文章の芸風も見事。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
エノケン、ロッパ、エンタツ・アチャコから、最後はタモリ、たけしまで。おそらく当時、まともに取り扱われることのなかった喜劇人たちの正確な批評を試みた、今や絶版の名著。リアルタイムで見ていないから想像しかできないが、義足になってまで体を使った笑いにこだわった(それしかできなかった)エノケンや、トニー谷の洒脱さがとても印象的だった。渥美清や森繁久彌など、若い世代から見たら芸人とは認識してない名優たちも、“喜劇人”として語られ、喜劇との距離のとりかたが俳優としてのあり方に大きく影響しているように感じて面白い。
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いつごろ、読んだか、私の生まれる前の喜劇人、エノケン、ロッパから、渥美清、たけし、タモリ・・・深く、楽しい、
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小林信彦もすべての小説を揃えてはいるけれど未読(つくづく私って偏屈)。 ひたすら映画と芸能エッセイを読んでいる。 正月番組で、昔の芸人たちのフィルムを見たので再読。 リアルタイムでつぶさに見て、しかも博識な彼が書く描写と分析に読むたびに教えられる。 ボロボロになった本を見...
小林信彦もすべての小説を揃えてはいるけれど未読(つくづく私って偏屈)。 ひたすら映画と芸能エッセイを読んでいる。 正月番組で、昔の芸人たちのフィルムを見たので再読。 リアルタイムでつぶさに見て、しかも博識な彼が書く描写と分析に読むたびに教えられる。 ボロボロになった本を見て買い替える必要を感じる。
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新潮文庫ver。姉妹編の『世界の喜劇人』もあり。 若かりし頃は、この本をガイドブックに、未だ知らぬ古の喜劇人たちの遺産を、探し求めたものだったが、今となっては、肝心の評論の部分が煩わしく感じてしまう。同時代の観客の素直な眼で見た喜劇史があったらなぁと、思うこの頃。 それでも、...
新潮文庫ver。姉妹編の『世界の喜劇人』もあり。 若かりし頃は、この本をガイドブックに、未だ知らぬ古の喜劇人たちの遺産を、探し求めたものだったが、今となっては、肝心の評論の部分が煩わしく感じてしまう。同時代の観客の素直な眼で見た喜劇史があったらなぁと、思うこの頃。 それでも、この本にはまだまだ世話になる予感。
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