野わけ の商品レビュー
恋愛文学というジャンルに入るのかな?手元の文庫本は1979年初版で1991年時点で何と34刷という売れ行き。やはり、こうした本を求める読書層が思った以上に多いのがわかります。 「愛がもし、常識の枠内だけで捉えられるものなら、過去無数の男女がそれで苦しむこともなかったし、人々の共感...
恋愛文学というジャンルに入るのかな?手元の文庫本は1979年初版で1991年時点で何と34刷という売れ行き。やはり、こうした本を求める読書層が思った以上に多いのがわかります。 「愛がもし、常識の枠内だけで捉えられるものなら、過去無数の男女がそれで苦しむこともなかったし、人々の共感も呼ばなかっただろう。作家が愛の何たるかを問い詰め、文学に定着させようという努力もしなかったろう。愛とはまさしく常識だけで律しきれない。考えれば考えるほど、愛はいわゆる健全な小市民的常識とは無縁なものらしい。本当の愛はもっと悪魔の匂いのするもののようである」 上記は、解説の藤田昌司氏が渡辺淳一氏のエッセイから抜粋したもの。さらにこう続きます。 「だが世の中には、そうした常識の枠の中の愛だけがあるわけではない。市民権を得ていない愛が無数にある。実際にはむしろそうした陰の部分にこそより人間的な、濃密な、それだけに深刻な愛があるということも否定できない」 とまあ、文学者らしい視点で恋愛小説の意義を語っていますが、常識の枠外の恋愛には必ず悲劇や傷心がセットで付いてきます。本書でも不倫相手の奥さんの自殺という悲劇を招いています。 「でも、好きなのは理性で抑えられない。好きなものは仕方ない」とおっしゃる貴女。その相手に妻子はいませんか?貴女の気まぐれな愛で傷つき崩壊する家庭がそこにあるのですよ。貴女はその結果に責任を持てますか? 「相手から言い寄ってきた?」そうした相手に都合のいい女で満足できるならそれは自己責任です。相手に尽くした結果、最後はボロ雑巾の様に捨てられない為にも、むしろ偽りの愛などにすがらず労働対価としての金品や恩恵をゲット出来る様がんばって下さい。以上。 個人的には「のわけ」ではなく「たわけ」な内容でした。 PS. 本作がテレビドラマ化されていたとのことで1話のみ見てみました。大谷直子、津川雅彦、古谷一行、岡崎友紀、浜木綿子などの芸達者な俳優陣と脚演出の良さで、原作より面白かったです。1975年制作、主題歌は小坂恭子「風の挽歌」。ってことは、時系列的に単行本ベストセラーを受け、テレビドラマ化、その後文庫本化という1粒で3度おいしいモンスター作だったわけだ。
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渡辺淳一といえば不倫話。不倫話といえば、渡辺淳一。 というくらい、不倫と医療の話が多いですね。 「野わけ」も不倫の話です。でも、奥が深い気がする。 ちょっと、せつないお話です。
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簡単に言ってしまえば、 24歳の検査技師とその上司の不倫のお話。 迪子の心の動きの描写が繊細で 女ってどんなに愛されていても やっぱり形のある結婚を望んでしまうんだなーって 思いましたww でも、やっぱり登場人物の一人が亡くなると いっそう物語が切なくなっていい...
簡単に言ってしまえば、 24歳の検査技師とその上司の不倫のお話。 迪子の心の動きの描写が繊細で 女ってどんなに愛されていても やっぱり形のある結婚を望んでしまうんだなーって 思いましたww でも、やっぱり登場人物の一人が亡くなると いっそう物語が切なくなっていいよねえ 阿久津の気持ちも分かるけどネ 若いときに不倫するのはやっぱり勿体無いネ
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