ナイチンゲールの沈黙(下) の商品レビュー
瑞人の父親はどのようにして変わり果てた姿となったのか。前巻に続き加納玉村、そして田口白鳥コンビが紐解いていく。 アツシ、瑞人は手術を受けるのか。由紀の運命は。盛りだくさんな下巻。 瑞人を子供に戻してくれたのは紛れもない、アツシ、由紀、そして小夜である。 これで良かったんだと思え...
瑞人の父親はどのようにして変わり果てた姿となったのか。前巻に続き加納玉村、そして田口白鳥コンビが紐解いていく。 アツシ、瑞人は手術を受けるのか。由紀の運命は。盛りだくさんな下巻。 瑞人を子供に戻してくれたのは紛れもない、アツシ、由紀、そして小夜である。 これで良かったんだと思えるラストだった。 でもやはり、子供の死は辛い。 内山医師の対応は小児科医というか医師としてどうなのかと思うが、奥寺教授の「医師だって人間だ。決して万能ではない。」というのは刺さった。 休みたい時もあるし、嘘をつく時だってある。ミスもある。いつから患者の立場である私たちは、医師に100%を求めるようになったのだろう。決して治して当たり前、元に戻して当たり前、ではないのに。 読み始めて40ページほどで、ロジカルモンスターもとい白鳥圭介が登場! 最初から白鳥ワールド全開で場を乱していく。本人はお構い無し、子供にも容赦無し。しかしそこがいい。 今後も活躍してくれる加納や玉村も出てきて再読者としては桜宮市がどんどん広がってきてワクワクした。 バチスタシリーズ大好きな私としてはこちらも大好きな作品ではあるのだが、ミステリとしては少し物足りなさを感じた。 犯人は読んでいれば分かる構造なので、一緒に犯人探しをしたい!という方には向いていないかも。 読み込めていないだけかもしれないが、音楽やDMAなどの力を目の当たりにしたことがないので想像しにくかったかな、というのがある。モヤモヤしたまま読み進めた。 次はジェネラルをと思っていたが、解説で螺鈿迷宮をとのことなのでそちらを。
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なかなか評価が難しいところ。下巻に入って白鳥参戦で名コンビ復活かつテンポアップ。医療と音楽。ある種の恋愛模様も描かれてる。ただ音楽関連の話は良く分からない。本当にああいう現象はあるのかね。あのDMAってやつも凄いな。キャラが増えてきてこれからのシリーズ展開が楽しみ。次は螺鈿迷宮を読むべきか。それともジェネラルかな。
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脇役だが小児科医の内山先生が酷すぎる。子どもが産まれてから読むと、わずか5歳で眼球摘出しなければいけないアツシ少年の境遇に胸がいっぱいになる。小夜はどうあっても子どもを巻き込んではいけないと思うが、この後の『螺鈿迷宮』にもつながってくる闇の深い問題が絡んでいると思うと糾弾できな...
脇役だが小児科医の内山先生が酷すぎる。子どもが産まれてから読むと、わずか5歳で眼球摘出しなければいけないアツシ少年の境遇に胸がいっぱいになる。小夜はどうあっても子どもを巻き込んではいけないと思うが、この後の『螺鈿迷宮』にもつながってくる闇の深い問題が絡んでいると思うと糾弾できない。幼少期に見た大人の行動に影響を受けるのは必至か。 やはり登場人物たつを忘れてしまわないうちに、桜宮サーガを一気に攻めるか…。
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その人の歌を聴くと、心の中を映像として観ることができる‥。現実離れしているけれど、それを告白としてみせたところがおもしろかった。 哀しくて辛い過去があるから、歌声がより美しく哀しく聴こえた。
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小児病棟の歌姫ナース小夜と余命幾ばくしかないモノホンの歌手冴子。そして眼のガンで眼球を摘出しなければいけない14歳の少年と5歳の男の子。登場人物がいったいどんなドラマを描くんだと思ったら…。 面倒ごとが愚痴外来に行くようになっている、ある意味病院のヒエラルキーは面白い。 どう...
小児病棟の歌姫ナース小夜と余命幾ばくしかないモノホンの歌手冴子。そして眼のガンで眼球を摘出しなければいけない14歳の少年と5歳の男の子。登場人物がいったいどんなドラマを描くんだと思ったら…。 面倒ごとが愚痴外来に行くようになっている、ある意味病院のヒエラルキーは面白い。 どうしよう。あまり書けない。 個人的には、白血病の白雪姫、由紀の存在が印象的だった。作中で誰よりも物事を理解してたんじゃないかな。ってふと思った。
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田口・白鳥コンビが活躍するはずの下巻。 高階病院長が用意したのは、やはり白鳥圭輔だった。 そして牧村瑞人の父親が殺害された件で、警察庁からは『加納』と名乗る刑事もやって来る。 加納は白鳥と顔見知りであり、ある意味そっくりなキャラクターであった。 白鳥だけでも大変なのに、更に気持...
田口・白鳥コンビが活躍するはずの下巻。 高階病院長が用意したのは、やはり白鳥圭輔だった。 そして牧村瑞人の父親が殺害された件で、警察庁からは『加納』と名乗る刑事もやって来る。 加納は白鳥と顔見知りであり、ある意味そっくりなキャラクターであった。 白鳥だけでも大変なのに、更に気持ちが落ち込む田口。 それでも院長命令には逆らえず、愚痴外来にて小児不定愁訴外来が始まる。 やがて加納・白鳥は「浜田小夜、牧村瑞人の共犯」説をぶち上げ、 白鳥が彼らに対して“アクティブ・フェーズ”を仕掛ける。 しかし、瑞人少年は一筋縄ではいかない相手だったのだ。。。 結末はある程度予想通り。 どうしても前作と比較してしまい、パワー不足な感じがする。 そのパワー不足の原因は、恐らく白鳥の活躍の場の無さから来るものではないかと。 傍若無人な彼の調査があって、田口先生の苦労が忍ばれてこその面白さが前作にはあったが、 今回は加納・玉村という刑事コンビがキャラとして被りまくっている。 更に、浜田小夜の能力と水落冴子の能力の関連性については特に種明かしも無く、 牧村瑞人というモテモテ頭脳明晰少年の一人舞台(独り相撲?)でおしまいな感じを受けた。 ここまで来ると主人公・田口の影は薄過ぎて不憫になる。 ただ、ちょっと「歌の力」と「医療」が離れすぎてしまった感は否めないが 普通に読めば面白い作品である事は間違いない。 期待しすぎてしまったのだろう。 ここから続く「桜宮サーガ」に期待。
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東城大学医学部付属病院・小児科病棟に勤務する浜田小夜。担当は、眼球に発生する癌―網膜芽腫(レティノブラストーマ)の子供たち。眼球を摘出されてしまう彼らの運命に心を痛めた小夜は、子供たちのメンタルサポートを不定愁訴外来・田口公平に依頼する。その渦中に、患児の父親が殺され、警察庁から...
東城大学医学部付属病院・小児科病棟に勤務する浜田小夜。担当は、眼球に発生する癌―網膜芽腫(レティノブラストーマ)の子供たち。眼球を摘出されてしまう彼らの運命に心を痛めた小夜は、子供たちのメンタルサポートを不定愁訴外来・田口公平に依頼する。その渦中に、患児の父親が殺され、警察庁から派遣された加納警視正は院内捜査を開始する。小児科病棟や救急センターのスタッフ、大量吐血で緊急入院した伝説の歌姫、そこに厚生労働省の変人・白鳥圭輔も加わり、事件は思いもかけない展開を見せていく…。
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再読。 いわゆる桜宮サーガの1冊なので、もとは1冊の予定だった片割れの『ジェネラル・ルージュの凱旋』の他、裏で行われていた潜入調査の顛末と、小夜が数年間暮らしていた家のことがわかる「螺鈿迷宮」、その後の城崎と瑞人が登場する『アリアドネの弾丸』……などなど、関連作多数。 シリーズが進むにつれて田口先生が聞き取りを行わなくなるからか、初期作ではお約束だった「聞き取り相手の名前を尋ねる」「聞き取り相手を生き物に喩える」といった描写がだんだんなくなって行って、入れ替わるようにして作者の主義主張が全面に出てきすぎてちょっと……という感じになるのだけど、今作では名前の由来や喩えのくだりは健在。 小夜という人が、境遇の似ている瑞人と惹かれ合ってああいうことになってしまったのはまぁわかるのだけど、イマイチどういう性格の人なのかがよくわからない。気の強いところも見えるけれど、それよりは圧倒的に陰を背負っている気配がすごい。 何度目かの再読で今更のように気付いたこととして、城崎と小夜は戸籍上、義理の兄妹だった時期があることはほぼ確実。お互い面識はなかったっぽいけれど(城崎が家を出た後で小夜が養女になったのかな)兄妹として面識を持っていたらどんな関係を築いていたのか、という興味がある。
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満を持して白鳥が登場する下巻。 歌声に乗せて脳の視覚野を刺激することができる看護師・小夜。本当にそのようなことが可能かどうかは私にはよくわからないが、この能力が事件解決のキーになる。皆の面前で歌い出した彼女の心象風景は…。 目の癌によって視力を失う子どもたち、特殊能力を持つ...
満を持して白鳥が登場する下巻。 歌声に乗せて脳の視覚野を刺激することができる看護師・小夜。本当にそのようなことが可能かどうかは私にはよくわからないが、この能力が事件解決のキーになる。皆の面前で歌い出した彼女の心象風景は…。 目の癌によって視力を失う子どもたち、特殊能力を持つ小夜、緊急入院してきた迦陵頻伽・冴子、そして殺害された父親。全ての点が一気に線で繋がっていくような流れは何とも言えない余韻を残す。
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