人魚は空に還る の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
数年前にハマって読んでいたシリーズなのですが、そういえば最終巻まで読んでないな?と気付いて読み直し始めました。最後の話の最後のシーン、ちょっと良かったなぁ。
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時代的には明治中期くらいか。ホームズ好きの人気絵師は相棒の編集者をリアル・ホームズだと思い込んで事件を楽しんでいる/せっかくの魅力的な時代背景なので雰囲気を出すためもう少し情景描写とか欲しかった。あと礼の超美形ぶりをストーリーに活かしてほしかったかも。 ■簡単なメモ /行方不...
時代的には明治中期くらいか。ホームズ好きの人気絵師は相棒の編集者をリアル・ホームズだと思い込んで事件を楽しんでいる/せっかくの魅力的な時代背景なので雰囲気を出すためもう少し情景描写とか欲しかった。あと礼の超美形ぶりをストーリーに活かしてほしかったかも。 ■簡単なメモ /行方不明になった天才彫刻少年《自分を捨てた人間に優しくしてやるという復讐――》p.49 /金魚鉢に敷き詰める石の中に盗難された高額真珠が紛れ込んでた。《この道を歩いている人々がいつか真珠になると思えば、この世とはずいぶんと贅沢な世界なのかもしれぬな》p.117 /人魚と全員仮面の蠟燭座と小川未明 /怪盗ロータス ■簡単な単語集 【有村礼/ありむら・れい】絵師。帝都唯一とも言われる絵巧者。表紙にしたら雑誌完売間違いなし。絵のような美貌の持ち主。気難しく稿料も目の飛び出るような金額を要求する編集者泣かせだがなぜか至楽社にだけは安価で提供するのはシャーロック・ホームズのファンで『ストランドマガジン』に掲載された小説を高広が訳してくれるから。現在では互いに友人と言える仲となっている。 【安西】検事。仙人のような男ってだと里見基博は言う。 【大黒重治】いけ好かない成金男。怪盗ロータスに持っている絵を狙われている。主に印象派のコレクションらしい。 【小川健作】作家。後の小川未明。まじめな青年。 【花遊鞠子/かゆう・まりこ】ゴージャスで傍若無人な美女。どうやら礼や高広の母親くらいの年齢らしい。 【里見高広/さとみ・たかひろ】→高広 【里見基博/さとみ・もとひろ】司法大臣。高広の義父で後を継いでもらいたがっている。実子は家を継ぎたくないらしい。妻はよし乃で義父ともども高広に優しく接してくれた。 【佐野徹平/さの・てっぺい】喜楽通信記者。関西弁でキツネ顔の図々しい男だが記者としての嗅覚は一流。 【至楽社】雑誌出版社。田所と高広だけしかいない。 【スミス牧師】ジェームズ・スミス。メソジスト教会の大立者。高広がときどき講師を務めるオンボロ英語学校も経営している。いたずら好き。 【高広/たかひろ】里見高広。至楽社編集者。純朴な正義感と言える。いくつかの事件を解決したことがあるらしい。剣の腕は立つ。 【田所】至楽社編集長。高広の上司。海坊主と呼ばれる。食わせ物だが編集方針には歪みがない。なんでも知っておりなんでも記憶している。「黒革の強迫手帳」に各界名士の弱みがぎっしり詰まっており折に触れて取材に利用する。 【帝都マガジン】至楽社の発行している雑誌。記事は硬軟取り揃えているが下品にはしない。 【美妃翁】「美妃真珠」の大旦那。真珠の養殖を可能にした。《美しいものは美しいから価値があるのではないぞ。美しいものに接した人間が、勇気づけられ、正しい心を持てるから価値があるんじゃ。》p.99 【森桜/もり・さくら】尋常小学校四年生。勝ち気そうな少女。至楽社に人捜しの広告を出してくれと依頼してきた。 【森恵/もり・さとし】桜の兄。府立第三中の生徒。広告図案で一等賞を取った。天才的な彫刻家。行方不明になっている。出来事の後、至楽社に出入りするようになった。 【柳田】里見基博の知人。《民間伝承やそれぞれの土地に根づいた生活様式や風俗に強い関心を持っている。》p.224。柳田國男のことかと思われる。続編とかあれば登場するかも? 【ロータス】新進気鋭の怪盗。登場から一年足らず。主に美術品を狙い盗んだ金は庶民にばら撒く義賊らしい。もともと「睡蓮小僧」と呼ばれていたが気に入らず「怪盗ロテュス」と呼べと新聞に投書した。この度予告状を出した。当然ながら、アルセーヌ・ルパンのファン。
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明治後期、善人の雑誌記者と美形絵師のコンビのミステリ。記者は雑誌に絵を描いてもらう見返りとして、絵師にホームズ譚を翻訳して聞かせる仲という友情コンビ設定と、明治の街並み、ルパン風の怪盗も出て、実在人物も絡み…という好きな要素が多いけど、予想外だったのは凡人な記者のほうが探偵役なこ...
明治後期、善人の雑誌記者と美形絵師のコンビのミステリ。記者は雑誌に絵を描いてもらう見返りとして、絵師にホームズ譚を翻訳して聞かせる仲という友情コンビ設定と、明治の街並み、ルパン風の怪盗も出て、実在人物も絡み…という好きな要素が多いけど、予想外だったのは凡人な記者のほうが探偵役なこと。同行するカリスマ絵師の知名度と美貌のおかげで関係者が協力的になったり、探偵ごっこをけしかけるのは絵師のほうなんだけど。 記者は特別な推理力はなく、記者の勘と優しさで事件に関わる感じ。ワトスン役が謎解きするのは嬉しいけど、ホームズ風なヒーロー探偵にはならず、ヒューマンドラマの味わい。 続きもいずれ読みたい。
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背景は明治時代の銀座や日本橋。 舞台設定がよかったですね。 銀座や日本橋といえば、昔から続く老舗がたくさんある。 物語の中にも、誰もが知ってるお店が登場します。 だから、場所とか距離感が分かり易い。 メインキャラは雑誌記者の高広と、美人画を描く天才絵師。 しかも絵にも負けない超絶...
背景は明治時代の銀座や日本橋。 舞台設定がよかったですね。 銀座や日本橋といえば、昔から続く老舗がたくさんある。 物語の中にも、誰もが知ってるお店が登場します。 だから、場所とか距離感が分かり易い。 メインキャラは雑誌記者の高広と、美人画を描く天才絵師。 しかも絵にも負けない超絶美形。王道です。 話は日常的な謎ですが、ミステリを期待すると肩透かしを食らいます。 単行本は4編の短編集です。文庫だと1作多く入ってます。 表題作がファンタジックで優しくて好きです。
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感想はブログにて。 http://croco.blog14.fc2.com/blog-entry-52.html
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女性の「男友達妄想」な関係の2人が主人公のミステリ。”ワソトン”役と”ホームズ”役のキャラが普通と逆なのがおもしろい。軽妙だけどしっかりした文章で読みやすかった。
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探偵役が自分の予想と違っていて面白かったです。 怪盗ロータスとは続編でまた関わることがあるのでしょうか?楽しみです。
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するっと読める。 登場人物が魅力的で、話も面白い。 良く考えられてる、かなりライトな謎解きで読みやすい。 昔言葉というか、時折引っかかるけどそれもこだわりだね。
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へたれな高広と強気な礼の関係がよいですね(^-^) 「人魚は空に還る」は観覧車の場面がとてもきれいで、最後は優しい気持ちになるお話でした。小川未明の作品を読んでみたくなります。 「怪盗ロータス」は、事件が起こってから最後までをうおぉっと読みました。 最初の妻の語り、最後の大黒の語りがあったのがよかったです。 随所にそれってまさか・・・な実在の人物が出てきて面白かったです。 レトロな雰囲気(明治、東京という舞台ってなんかときめきます!)もよかったです。 ミステリーにしたら少し物足りないのかもしれませんが、読みやすくて他のシリーズも読んでみたくなりました。
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