古典の細道 の商品レビュー
本書で取り上げられている人物は、倭建命、在原業平、小野小町、建礼門院、平維盛、花山院、世阿弥、蝉丸、継体天皇、磐之媛皇后、惟喬親王、東福門院、以上12人。 記紀や大鏡、平家物語なども参照しているが、著者がこれらの人物の人となりを想像するのに拠っているのは、うた(和歌)や能、...
本書で取り上げられている人物は、倭建命、在原業平、小野小町、建礼門院、平維盛、花山院、世阿弥、蝉丸、継体天皇、磐之媛皇后、惟喬親王、東福門院、以上12人。 記紀や大鏡、平家物語なども参照しているが、著者がこれらの人物の人となりを想像するのに拠っているのは、うた(和歌)や能、そして由縁があるとの言い伝えがある土地や場所が語りかけてくるものである。 これらの人たちが旅に出かけ、あるいは棲家としたり隠棲した場所は、著者が訪れたときよりさらに変貌してしまっていて、何かを感じ取ることが出来るか分からないが、著者の筆に従って実際に訪れてみたくなった。 本書の中では、必ずしも歴史の主役とは言えない、平維盛、藤原氏に騙されて出家し天皇位を退いてしまった花山院、木地師の伝承に出てくる惟喬親王、これらの章に特に興味を惹かれた。
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涼風に吹かれながらさらさら流れる清水で喉を潤すかのような感覚。 白州正子が全国の史跡を旅しながらその土地縁の人物について書き綴ったエッセイ。 伊勢物語、古今和歌集、平家物語などの古典も読んでみたくなる
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この人の筆になると、記紀でしか知らなかったような人(もちろん名前しか知らなかったほどの)にもまた、血の通った、生まれて生きて恋をして死んでゆく「生身の人間」として親しくなれる。私は「蝉丸」が好きなので、特に蝉丸の章はじっくり読みました。「補陀落渡海(平維盛)」の章も忘れがたい。在...
この人の筆になると、記紀でしか知らなかったような人(もちろん名前しか知らなかったほどの)にもまた、血の通った、生まれて生きて恋をして死んでゆく「生身の人間」として親しくなれる。私は「蝉丸」が好きなので、特に蝉丸の章はじっくり読みました。「補陀落渡海(平維盛)」の章も忘れがたい。在原業平も小野小町も建礼門院も、誰もがすべて、白洲正子という女性を通して語られた、魅力に溢れた人々。
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