Yanagi Design の商品レビュー

柳工業デザイン研究会【編】

2013/01/24

購入

柳氏の仕事や哲学などが詳しく書かれている。

柳氏本人の文章もあれば、柳氏の事務所で働いてきた方の文章もあり、
仕事に対する思いや考え方などをじっくり知ることができる。

手がけた仕事についても高速道路の防音壁から椅子、テーブルウエア、
キッチン用品、蛇口など多岐にわたって写真で紹介されており、
興味深く読むことができた。

バタフライスツールに座布団が乗っている写真があり、
それがとても可愛らしくてたまらない。

2012/01/15

日曜用品、自動車、トンネル出口、年賀はがきなど、いろいろな設計見本写真がある。

見ているだけでも、閃く。
説明もいろいろ考えるきっかけをつかむことができる。

2011/09/05

柏木博、手の感触が生むモダニズム。深澤直人、制作プロセスから見る柳デザイン。『20世紀はどのようにデザインされたか』で「社会は人工的に変革・構築しうるという近代のデザイン思考そのものが間違いだったのか？」と問う柏木はどういう思いで「デザイナの美意識の入り込む余地のない」アノニマス・デザインを語る柳の仕事を批評したのか。

2009/10/04

天童木工のバタフライ・スツールに興味を持って手に取った一冊。
カラーページが多く、柳宗理氏が携わったデザインが広く掲載されている。食器・家具のほかにも、東名高速の防音壁や、横浜市営地下鉄の券売機・キオスクなど。生活に溶け込む柔らかいデザインが印象的。

柳宗理氏のデザイン考では「物を創る」ことに対して非常に考えさせられる。

かつては、地球の物資を掘り起こして、物を量的に作り出すことが経済成長であり、それが人類が豊かであることに繋がっていくと考えられていた。
しかし、現在は限られた貴重な物資をどのように大切に扱うかを考えなければならないし、浪費のための量産は慎むべきである。

そのような環境の中で、人の生活に結びついた。
使う人ありきの使いやすさの中にデザイン性を付加することの難しさを感じた。

--------　以下デザイン考　抜粋　--------

デザインの至上目的は、人類の用途の為にということである。

創造のないところに本当の意味のデザインはない。従って、創造のないものは模倣であって、本当のデザインとは言い得ない。

デザインの形態美は、表面上のお化粧づくりからだけでは出て来ない。内部からにじみ出たものである。

本当の美は生まれるもので、つくり出すものではない。

デザインは意識活動である。しかし、自然に逆らった意識活動は醜くなる。なるたけ自然の摂理に従うという意識である。この意識はデザインする行為の中で、究極のところ無意識となる。この無意識に到達したところより美が始まる。