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博物館の裏庭で の商品レビュー

4.2

14件のお客様レビュー

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2024/09/01

4代にわたる、ある何でもない家族の年代記。割と好きなジャンルなのだが、登場人物が多すぎ、また交互に新旧入れ替わる時系列で疲弊してしまった。登場人物たちにもあまり感情移入ができなかった。

Posted byブクログ

2022/01/09

年明けから読み始めて、約一週間でようやく読み終えた、「ルビー・レノックス」の家族四世代に渡る、それぞれの人生模様を積み重ねた歴史は、何か輝かしい偉業を成し遂げたわけでもないし、家族って素晴らしいと思えるものでもなく、むしろ、辛く悲しく、陰湿で、下品で、現実味がありすぎて、何を言い...

年明けから読み始めて、約一週間でようやく読み終えた、「ルビー・レノックス」の家族四世代に渡る、それぞれの人生模様を積み重ねた歴史は、何か輝かしい偉業を成し遂げたわけでもないし、家族って素晴らしいと思えるものでもなく、むしろ、辛く悲しく、陰湿で、下品で、現実味がありすぎて、何を言いたいんだと思うかもしれない。 しかし、私にはそれにすごく共感できるものがあった。 何故なら、私もそう思えるような人生を送ってきたからです。 それに、よく目を凝らして見てみると、小さいながらも、細々と輝く愛も確かに存在する。 その現実味溢れる、人生の再現度がすごいのであって、そこには、きれい事だけで人生は成り立たないことを実感させてくれる。 確かに、バンティやパトリシアの人間性を読んでいくと、決して好きになれない要素が多いと思うかもしれない。 でも、彼女たちも涙を流して泣いている場面もあるんですよ。 別に彼女たちに限らず、意地の悪いレイチェルが、アルバートのことを自慢気に話していたり、子供の写真を胸にしっかり抱きしめていた彼女もそうだし、女に限らず男だって、ジャックとスパニエル犬のジェニーの戦時下での悲劇や、ロレンスの終盤での思いの丈を吐き出す様には、真に目頭を熱くさせるものがあり、それらの中には、本人たち同士でその思いが伝えられない悲劇もあるけれど、それが無くても、遠いどこかで自然と涙にくれることができる、それは正に家族の遺伝子が為す偉業であって、決して事故に遭いやすい遺伝子だけを持つ一族ではないのです。 ルビーもネタバレの一件含めて、その人生は決して安易でやさしいものではなく、彼女の愛は大きくないのかもしれないし、「かわいそうなルビー」というフレーズの真意に涙したが、それでも、十五年待った甲斐があったと思えたり、過去は引きずって歩くものだと辛苦も受け入れて、彼女自身の人生を歩む様には、たとえ名誉や栄光がないとしても、素直に拍手を送りたい気持ちになりました。 「人生はなぜこんなに美しいと同時に、こんなに悲しいのだろう?」と、思いを巡らしたこともあったルビー。 それが人生だからだと私は思う。 そして、何より私がいちばん嬉しかったのは、初の長篇にして、ウィットブレッド賞受賞作でも、作風がブロディシリーズと全く変わっていない、アトキンソンの変わらぬ信念だった。

Posted byブクログ

2021/07/20

一族の物語。主に女性の視点から語られる。 日常を生きながらも、退屈して鬱屈した思いを抱えたり、中には不倫にのめり込んだり、失恋したり。 バンティの不倫のシーンは、ぼかされていなかったので嫌だった。生々しすぎるし、実の子どもに目撃されるのかって。

Posted byブクログ

2019/12/29

長さに狂気を感じる。女性性の色濃い家族の人生の系譜を母親の胎内にいた頃から主人公は語る。特に優秀な一家でもなく、人道的に優れてる訳でもなく、普通の。どちらかといったら模範的ではない人間達の、結構だらしない人生で、リアルというのか、よみやすい気がする。しかしこれといった劇的な出来事...

長さに狂気を感じる。女性性の色濃い家族の人生の系譜を母親の胎内にいた頃から主人公は語る。特に優秀な一家でもなく、人道的に優れてる訳でもなく、普通の。どちらかといったら模範的ではない人間達の、結構だらしない人生で、リアルというのか、よみやすい気がする。しかしこれといった劇的な出来事もなく、戦争の表記も淡々としたもので、家族って生物的に似てるけど、考え方好みもてんで似通ってないし、一緒の生活ってしんどいし逃げられないもんだよね、という、結構しょっぱく苦く辛い本だなーと。ここに背を向けない勇気は買う。

Posted byブクログ

2019/04/09

ルビーが生まれるシーンで産婆がバンティに「力んで」と言うが、この場合「息んで」の方がいいのでは?小野寺先生、男性だからな、でも新潮社の校閲部はそれでよしとしたのなら…p90の訳注で言えば、バーバラの愛称がバブスだと思う。英国の女の人って、意外と家庭で料理を手作りするのね。女の人生...

ルビーが生まれるシーンで産婆がバンティに「力んで」と言うが、この場合「息んで」の方がいいのでは?小野寺先生、男性だからな、でも新潮社の校閲部はそれでよしとしたのなら…p90の訳注で言えば、バーバラの愛称がバブスだと思う。英国の女の人って、意外と家庭で料理を手作りするのね。女の人生に男の伴侶はいらないのかな。

Posted byブクログ

2018/03/30

図書館で。 文体の所為か訳の所為か、意味がわからなかったり立ち止まってこの人誰だっけ?とか考えなくてはならない所が多々あり、テンポよく読めないなぁとストレスを感じ断念。 会話ならアリなのかもしれませんが文章だと色々ポンポン飛ぶのに付いていくのが辛かった。

Posted byブクログ

2015/02/22

現在と過去を行き来しながら、四代に渡る家族の歴史が少しずつ明らかにされる。読みながら、どんどん引きこまれた。 死を自覚せざるを得ない戦争に行く男たちや、困難な時代を生きる女たちのしなやかなしたたかさが印象的だ。 それぞれの人生では、いろいろなものが失われ、棄てられていくけど、受け...

現在と過去を行き来しながら、四代に渡る家族の歴史が少しずつ明らかにされる。読みながら、どんどん引きこまれた。 死を自覚せざるを得ない戦争に行く男たちや、困難な時代を生きる女たちのしなやかなしたたかさが印象的だ。 それぞれの人生では、いろいろなものが失われ、棄てられていくけど、受け継がれていくものが確かにある。

Posted byブクログ

2013/06/01

1952年、英国の古都ヨークの平凡な家庭に生まれたルビー・レノックス。一家はペットショップを営み、お店の2階に暮らしている。部屋の片隅に眠る、古ぼけた写真、ピンク色のボタン、兎の脚のお守り。そんな小さなものたちが、それぞれの時代の記憶を語り始める―。はかない初恋や、家族とのいざこ...

1952年、英国の古都ヨークの平凡な家庭に生まれたルビー・レノックス。一家はペットショップを営み、お店の2階に暮らしている。部屋の片隅に眠る、古ぼけた写真、ピンク色のボタン、兎の脚のお守り。そんな小さなものたちが、それぞれの時代の記憶を語り始める―。はかない初恋や、家族とのいざこざ、異国への憧れ。そして、ルビーの母の、祖母の、曾祖母たちの平穏な日々を突然奪っていった、2度の戦争。ルビーの人生を主旋律とする物語は、さかのぼる三代の女たちの人生と響き合いながら、一族の壮大な歴史を奏でる。ウィットブレッド賞を受賞した、現代の「偉大なる英国小説」。

Posted byブクログ

2011/08/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

とあるイギリス人家族の物語。3世代の様々な営みが積み重なる。 ひとりの登場人物が語る。 「過去っていうのは、人生で棄ててきたものなのよ。」 もう一人が語る。 「過去っていうのは、ひきずって歩くものなのよ。」

Posted byブクログ

2010/12/13

舞台はイギリス、ある家族の4世代に渡る年代記。 家族の物語とは時に笑いがあり時に哀しみがあります。 「人生」というストーリーが家族一人一人にあり、しっかりと焦点を当てて描かれています。 著者のユーモアのある独特のタッチが読んでいて心地良いです。 特に家族の死に関しては普...

舞台はイギリス、ある家族の4世代に渡る年代記。 家族の物語とは時に笑いがあり時に哀しみがあります。 「人生」というストーリーが家族一人一人にあり、しっかりと焦点を当てて描かれています。 著者のユーモアのある独特のタッチが読んでいて心地良いです。 特に家族の死に関しては普通重くなりますものが、これは著者の死生観によるのでしょうか、登場人物の前向きな姿勢に私は共感しました。 もっと評判になってもいいと思える作品です。

Posted byブクログ