源氏物語の女君たち の商品レビュー

瀬戸内寂聴【著】

2024/02/01

源氏物語の解説本。とてもわかりやすく、良かったです。源氏物語って、モテ男の光源氏が女の人を取っ替え引っ替えする話と思っていて、全然源氏の魅力がわからん。と思ってたんですが、そもそも、そう思いながらも、現代語訳とはいえ、最後まで読んだことがある時点で、紫式部の術中にハマってるのでしょう。
瀬戸内寂聴さん曰く、読者の想像力を掻き立てるような書き方、読者が共感をもつような女房たちの会話、因果応報で伏線回収、などなど、読者の興味を惹きつけるような書き方をしてるとのこと。そういう点で、すごい小説とのことでした。
男君バージョンも読む予定。

2021/11/24

源氏物語のあらすじを知っているので、寂聴さんによる女君それぞれの解説を、興味深く読むことができた。
人間関係、男女関係の図があるので分かりやすい。

2019/05/19

「桐壺」があとから書かれたというのは定説らしいけれど、逆に最初に書かれたのではないかという本書での推測も一理ありなるほどと思う。夕顔が初めて光源氏の顔を見たときの反応がいい。「近くで見ると大したことがない顔だわ」だなんて。末摘花はバカにされる存在として役割を割り振られているだけかと思っていたけれど、純粋な気持ちで光源氏を待ち続けることはよほどの気持ちがないとできないことなのだと知って、いくぶんか評価が上がった。

2017/06/17

　『源氏物語の男君たち』を読み終わってから、いつの間にか１年が過ぎようとしていました(^^;。でも、ちょうど同じような時期に読んだということは、暑くなってくると源氏物語を読みたくなるのかも（笑）

　この本を読んでいて気になるのは、レイプという言葉がたくさん出てくることです。もちろん、顔を見たこともなく、和歌のやり取りで結ばれる時代の話ですから、今の感覚で男女のことをとらえることは無理がありますが、それにしても、気の毒な時代に感じるのは私だけでしょうか。

　源氏物語に登場するたくさんの女君が紹介されていますが、どの女君も個性的で、特徴があるのがよく分かります。これだけの人物を書き分けて、しかも緻密なストーリーに仕上げた紫式部には頭が下がります。一人一人、モデルがいてフィクションに仕立てているのでしょうか。だとすれば、今の週刊誌の芸能ネタにも通じるのか、当時の読者がどんな心持ちで読んだのか興味がわきます。

　ここまできたら、いよいよ「源氏物語」の本編を読まないと行けないかなと思いつつ、何か手っ取り早く読む方法がないかと気持ちが逃げている私です。

2012/07/19

「NHK放送大学」瀬戸内寂聴さんが語られた放送内容をテキスト化し冊子とされたものです。

やはり源氏物語本編を読み終えてからこそ楽しめる本ですが、この本をきっかけに本編を読んでみようかな？と興味を持たれる方もいるかもしれません。
それ程に瀬戸内先生の源氏愛が隈なく染み渡っており、まだ本編に触れたことの無い人にも興味をそそるガイドブックだと思います。

2011/11/22

なぜ今この本を選んだのかは自分にもよく分からない。

源氏物語といえば高校の図書館でマンガを読んだぐらい。

いまなんでこのタイトルに惹かれたんやろう？

著者が瀬戸内寂聴さんということで、読む前からどきどき。

文体が上品で言葉選びも秀逸！
どんどん読み進めていけました。

源氏物語に出てくる女たちをそれぞれ分かりやすく解説してくれます。

それぞれに良いところがあって、反面人間らしい醜いところもあったり…。

わたしはどのタイプかなーとか思いつつ読み進め、やっぱり笑ってしまうのは末摘花のところ！

でも彼女も純粋に光源氏を想ってただけやのに、紫式部さんもひどいｗｗ

紫の上に夕顔、朧月夜と素敵な名前が多いところも源氏物語の魅力！

ただ六条御息所の嫉妬深さは現代にも通じないくらいのものだね、きっと。(←名前もあまり可愛くないし)

もののけになって人殺すくらい1人の人を想うって、現代人では難しいやろなー。

古典の授業でやったエピソードも組み込まれてて、読み進めながら『あー！この部分知ってる！』みたいに小さな感動を何度も味わえます♪

わたしは今この本を読めて良かったです(*´｀*)

2010/09/10

　これは面白かった。わりあいオーソドックスな解釈で書かれている素直な入門書なのだけど、それでも新しい発見がたくさんあったし、源氏物語をじっくりと読みたくなる。
　本編をまったく読んだことがないような人でも、「こんなに面白い物語なら読みたいな」と思ってしまうのではないだろうか。源氏物語って言うと，高校の古文の嫌な思い出しかないような人にお勧めです。
2009/2/13

2009/10/04

元々「あさきゆめみし」で源氏物語好きな私。
08年09月に購入。

男君か女君かすごく悩んだ末、女君を手に取る。
寂聴さんの文章を読むのもこれが初めてかもしれない。

まあ正直、知ってるよ、分かってるよ、っていうのが多かった。
けれど自分のココロがそれを捕えていても、言葉になんて出来そうもなかったから。
その点、寂聴さんはすごいな、と思う。

これを読んで、自分が誰を一番好きか、と考えてみた。
源氏物語に登場する様々な女性たち。
自分と一番似ているのは、やっぱり女三ノ宮かもしれない。
けれど私の別の一面に、葵の上っぽいとこともある。

理想は、明石の君。憧れるな。

2009/10/04

人物論としては夕顔と朧月夜の君、雲居の雁、浮舟が興味深かった。

本編には性描写がほとんどないなかで、宇治十帖がなまめかしいのは、宮仕え後自発的に書き継いだからではないかと想像している。女人出家についの分析も鋭い。

さらりと読める。