メガ・リージョンの攻防 の商品レビュー

細川昌彦【著】

2010/12/25

つまらなかった。地域ごとに競争力を高めるべきという筆者の考えは否定しないが、内容は今ある産業をベースにして地域競争力をつけるという程度もので、他国との熾烈な競争にどう立ち向かうかという根本的な問題には触れていない。
新興国の教育水準があがり、安価で優秀な人材が多く輩出されつつある今、どの様にそれらに対抗して行くのかが問題である。全てのものは模倣・代替可能という前提に立つと、今からすべきは、今ある産業のブラシュアップではなく、新しい産業の創造ではないだろうか。

2009/12/22

自分じゃきっと手にしなかった本。
経産省の友人に会ったときに「今日読み終わったから」と譲りう受けた。
世界の中の日本のポジションがある程度客観的に描かれていて、
これからの世界と戦っていくための各地域の可能性を説く。
自分の地元が取り上げられて、かつ評価されていて気分がよくなった。
あと、シンガポールという国に対して少しだけ興味が沸いた。訪れてみたい。トランジットで。

2009/10/04

これからは国家の枠組みの時代ではなく、都市としての戦略が求められます。
このメガリージョンの攻防は道州制の論議にもつなげるすばらしい一冊です。

2009/10/07

Refered from Nikkeinews 20080928 日曜書評

都市よりは広域だが、国よりは小さい「地域（リージョン）」が国際競争の単位に浮上している。ひとつ、または複数の大都市が周辺の小都市などと連携して産業を集積し、魅力を高め、世界から人や投資を惹きつけ、国に頼らず自分たちの力で豊かになっていく、そんなイメージだ。

今の自治体運営にも厳しく切り込む。国内の各種ランキングや隣の自治体とのひかくばかりを気にして、グローバル競争が視野に入らない。どの自治体も似たような施設を総花的に作りたがり、協力、分担の発想が薄く、結果的に海外の地域に負ける。地域経営に新しい視座を提供する一冊。