セカンドライフ 仮想コミュニティがビジネスを創りかえる の商品レビュー

ワグナー・ジェームズアウ【著】,井口耕二【訳】,滑川海彦【解説】

2012/01/30

仮想空間サービスセカンドライフ。
厳密にはゲームでもなく、SNSというには個性的。
自由度の広すぎるサービスであるこれを
著者は開発当初から追いかけ、その誕生から発展を記録した
「仮想空間サービスのドキュメンタリー」です。

この本に出会ったのは、ツイッターからでした。
「SLをしていない人に読んでほしいWEB2.0の未来予想」として
紹介されていました。
セカンドライフというケッタイで独自の世界が
どんな風にして生まれて育ってきたのか。
・・・『そして、日本の広告代理店が意図的に荒稼ぎするために、
日本人とSLを騙してバブルさせた』ことが判りました。
同じことを米国の企業が行って失敗した様。
当時のSL住民たちが他所の版権コンテンツをありがたがらないこと。
それがすべて記載されていました。

その紹介にも載っているように
このセカンドライフの誕生と失敗と修正の成長が
ツイッターやFBなどのユーザー主体で変化するサービスと
シンクロしていることが判ります。
自由度の量は違えども、同じ根を持つサービスなのです。
・・・セカンドライフはもう終わったとツイッターでつぶやくことが
どれだけ滑稽な裸の王様なのかも見えてくるでしょう。

この著者のニュースサイト「New Ｗｏｒｌｄ Ｎｏｔｅｓ」は
SLの貴重な情報源のひとつになっています。

SLをやっている人や興味ある人には
この世界の始まりと発展を知る機会に。
SLに興味ない人にはツイッターやフェイスブックが今後
どのような形で進化発展するのかの予想として
この本が役に立つと思います。