10の世界の物語 の商品レビュー
1958年から1962年に発表された短編集。 200万年周期のランダール彗星が地球に近づき、それを追跡するプロジェクトが組まれた。20数名が乗組員となったが、3分の1の食糧を使った時点でコンンピュータが故障、さてその解決策は・・・日系の祖母を持つタケオの発案でソロバンを作り乗組...
1958年から1962年に発表された短編集。 200万年周期のランダール彗星が地球に近づき、それを追跡するプロジェクトが組まれた。20数名が乗組員となったが、3分の1の食糧を使った時点でコンンピュータが故障、さてその解決策は・・・日系の祖母を持つタケオの発案でソロバンを作り乗組員でソロバンで軌道を計算し始める「彗星の中へ」 金星探検に降り立った3人の飛行士は、アメーバのような生命体を発見する。金星の描写とアメーバの動きが臨場感ある「エデンの園のまえで」 地震を予知した愛犬に助けられた宇宙飛行士。宇宙に立つには愛犬と別れねばならず、ほどなく犬は死んでしまう。宇宙の空間で星の輝きに愛犬の面影をみる「ドッグ・スター」 がよかった。 ・「思いおこすバビロン」プレイボーイ誌1960.5月号 ・「イカルスの夏」ヴォーグ誌1960.6月号 ・「ゆりかごから」デュード誌1959.3月号 ・「幽霊宇宙船」ジス・ウィーク誌1958.5.11日号 ・「憎悪」イフ誌1961.11月号 ・「彗星の中へ」ファンタジイ・アンド・サイエンスフィクション誌1960.10月号 ・「わが家の猿」ブリティッシュ・アーゴシイ誌1962年 ・「土星は昇る」F&SF誌1961.3月号 ・「光あれ」プレイボーイ誌1958.2月号 ・「死と上院議員」アナログ誌1961.5月号 ・「時とのもめごと」エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン誌1960.7月号 ・「エデンの園の前で」アメージング誌1961.6月号 ・「軽い日射病」ギャラクシイ誌1958.9月号 ・「ドッグ・スター」ギャラクシイ誌1962.4月号 ・「海にいたる道」トゥー・コンプリート・サイエンス・アドベンチャー・ブックス誌1951.春季号 1985.6.30発行 1986.2.28第2刷 図書館
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全部で15編からなるアイデア一本勝負の短編集。 星新一風やアシモフ風の短編が続くが、いずれも長編のためのアイデア集といった感じの作品が多い。 コレクションアイテムかな。
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シンプルな構成、シンプルなオチ。クラーク入門ではないのでファン向け?猫好きには何と言っても「幽霊宇宙服」をオススメ。犬なら「ドッグ・スター」なのは当たり前だ!
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科学の知識に基づいた未来の世界を作り出す一方で、3流の昼メロみたいな男女のドラマを盛り込むクラーク。「忘れられない恋人」とか「1人の女を2人の男が・・・」とかとか・・・。 「どんなに世界が変わっても人の世は相変わらずなのだ。」という彼の作風は、人類が未知の世界を開き続けるにも関わ...
科学の知識に基づいた未来の世界を作り出す一方で、3流の昼メロみたいな男女のドラマを盛り込むクラーク。「忘れられない恋人」とか「1人の女を2人の男が・・・」とかとか・・・。 「どんなに世界が変わっても人の世は相変わらずなのだ。」という彼の作風は、人類が未知の世界を開き続けるにも関わらず「進化する哲学と停滞を望む人世」とのはざまで揺れ続けているというところからきている。彼自身は人類哲学の一変を望んでいるのだろう。彼の作品に登場するエイリアン達はいつも過去を振り返らない。かれも出来ることならそうありたいのだ。不器用な記憶に自分の未来を振り回されてくないのだ。 クラーク、若いぜ! 『イカルスの夏』村上春樹のねじ巻き鳥の中尉の話に似ている。極限の消耗が、見える世界を一変させてしまう。クラークがそれを「誕生」ととらえるのに対し、村上は「死(引き延ばされた生)」でとらえたり、あくまでも内面の出来ごとに帰着させるというところに違いはあるか。
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