フォーチュン+ブリゲイド(3) の商品レビュー
あんな悪人面なのに、すっかりおいしい役所をもっていく殿下(アンドリュウ)であった。これがもし紅顔の美少年であればオペラになろうものだが、どっこいこちとら硝煙が匂う戦場物である。ナガンが188mm砲(!)を腹に接続する(!)シーンこそがこのマンガ最大の魅力が発揮される場面なのだ。 ...
あんな悪人面なのに、すっかりおいしい役所をもっていく殿下(アンドリュウ)であった。これがもし紅顔の美少年であればオペラになろうものだが、どっこいこちとら硝煙が匂う戦場物である。ナガンが188mm砲(!)を腹に接続する(!)シーンこそがこのマンガ最大の魅力が発揮される場面なのだ。 伝説の「青の地」という設定が出てきてマンガらしい落とし所は見えたが、逆に戦場物としてはちょっとテンション落ちるというややこしい現象が起きている。初代ガンダムの昔から異能と戦記を組み合わせた時、そのバランスとりが難しい。あんまりファンタジーに寄らないでほしいというのは贅沢で身勝手な欲求かしら。 次期主力兵器と称されたドル・ダレッドをさらに圧倒する最新型KPZ-70ギアツィント。これを迎え撃つは幻の機体Strv.137ナガン。さらに可潜式の最新型グヴォズジーカまで登場と、新型機のバーゲンセールのような展開はよだれものだ。出てくるたびに新型を引っさげてくるタンザナイト技術大尉、便利な男である。 新型につぐ新型、連戦につぐ連戦で、お楽しみのミゥラの求愛行動がなかなか見れなくなってしまったのは残念で、そこは痛し痒しか。 生物的・人間的なプロポーションと、無機的で虫のように「表情」のない不気味さ、戦車鉄騎の無骨さを合わせ持ったStrv.は魅力的だ。アンドリュウのスピゴットがいかれてしまったのはもったいない──見た目に華があるし、マダンと組み合わせれば戦術に幅が出そうだ──が、敵軍の兵器では補給もままならないししかたないか。ナガンの乗り手が足りなくもなるし。
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